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部員日記

中島橙子:左手を鍛える冬

こんばんは。

木暮耀幸から引き継ぎました、長距離ブロック2年の中島橙子と申します。


迷ったかどうかはさておき、木暮から回してもらえたのは嬉しかったです!ありがとう!


木暮の部員日記にもあったように、お互い群馬県出身、さらには男子校・女子校ということもあって、初めて会った時から謎の親近感がありました。会った初日に、はじめましてとは思えないほど話したことは鮮明に覚えています。

彼が私に対して感じはじめた“変わり者”とは、きっと最高の褒め言葉なんだろうなぁと思って受け取ります!(これも“変わり者”の一部なのでしょうか(笑))


普段話しているときはとても親しみやすく、後輩という距離感を忘れてしまうほど接しやすいのですが、スタッフとして選手をサポートしている時の佇まいや立ち振る舞いを見ると、どこか一年生とは思えない“しっかり感”があって、選手目線でも頼もしさを感じます。


彼は明るく、笑い声を聞くと「あ、木暮だ!」と橋の上と下にいてもすぐに分かります。その人柄からか、選手と積極的にコミュニケーションを取っている姿が印象的です。よく話しかけてくれて、たまに(?)絶妙にイジってくるところも、とても元気になれます。いつも笑顔で、最後までキレのある声でサポートしてくれるおかげで、きついポイント練習でも笑顔でやり切れています。本当にありがとう!


また、陸上とは関係ありませんが、何人かで一緒にご飯を食べに行った時に、急ぐことなくマイペースで食べる私が置いていかれなかったことは珍しく、かなり嬉しかったです。また食べに行きたいな!




さて、ここからは競技の話に入ろうと思います。

関東インカレ後ぶりの部員日記となりました。

その間に日本インカレ、国スポでの10000mWを終え、私の2年目のトラックシーズンが一区切りしました。今は、年明けのロードレースに向けて、倍の距離に対応するための練習を積み始めているところです。



トラックシーズンが終了したということで、少し振り返りたいと思います。


前回の部員日記で「全日本インカレで表彰台に登ります」と宣言し、実際に自己ベストで3位に入れたことは、1年生からの自分の成長を素直に感じられました。しかし、早稲田記録には0.26秒届かず、その悔しさは強く残る試合となりました。


滋賀国スポでは絶対に更新して締めくくろうと臨みましたが、スタート直後に脚を攣るアクシデントもあり、中盤までにレッドカード2枚。あと1枚で失格という状況で、守る選択をせざるを得ませんでした。結果はセカンドベストで7位。それでも、このレースは自分の視野を広げるきっかけになったと感じています。この後の趣味の話にもつながる部分があるので、そこで触れたいと思います。




ここからは趣味の話になりますが、2ヶ月ほど前からピアノを弾くこと、聴くことにハマり、最近はさらにやる気が加速しています。家に帰って即具材を入れ、洗濯や掃除を終えると自動的に最高に美味しくなっている鍋を食べようというタイミングで、いや、ここまで弾いてから!とピアノに向かってしまい、鍋の具材がクタクタになるのはもはや日常です。習っていた頃のように指が軽く動くわけではありませんが、だからこそ気づける音の表情、達成感があって、それが今はとても楽しいです。


私の中今年、過去一に仕上げたい曲があり、寝る前にもよく、いや、毎日聴いています。その曲のサビは右手が同じ音を刻み続ける、歌として聴いている感じです。左手もそこまで特徴のない、シンプルな重低音が繰り返す構成で、一見すると単純な部類です。しかし、実際に弾いてみると、その右手と左手が綺麗に組み合わさった瞬間、右手のメロディーを重低音が支えている感じでしょうか、一気に音が重みを増して広がり、心臓に強く響いてくることがあります。歌で聴いていたときには気づかなかった細かい魅力も、弾くことで分かるようになり、この曲が自分の中でより好きな存在になっています。



 ふと1年生から今までを振り返る中で、自分ももっと成長できるのではないか、と感じることがあります。1年生から日本インカレまでは大きな障害もなく、順調に記録を伸ばしてきました。しかし、そのどのレースも”レースが自分を作っていた”状態で、”自分がレースを作る”ことはできていませんでしたし、その勇気もありませんでした。

けれど、国スポでは状況に押された部分はありつつも、途中から初めて“自分がレースを作る”ことができました。行けるところまで前につく、失格したらその時だ、と選ぶこともできた状況で、それでも逃げずにレース中に自分のレースを組み立ててゴールできたことは、大きな一歩になりました。



だから何なのか。



右手は流れに任せて刻む役割。

左手は音を支え動かし、全体の奥行きを作る役割。



右手は「レースの流れに乗る力」、

左手は「自分がレースを作る力」

に近いと感じています。


そして、今の自分に足りていないのは明らかに“左手”の部分です。


自分から動かし、流れを作り、勝負を決めにいく力。そのためには、どんな状況でも自分の判断を信じ切れるだけの“絶対的な自信”が必要になります。

周りからの言葉や支え、一緒に戦ってくれる存在、自分に期待をかけてくれている人たちの応援をプレッシャーではなく“力”として受け取ること。

そして、それを自信を持って受け止められるだけの努力を重ね、100%納得できるところまで積み上げていくこと。

その両方があって初めて、自信は生まれるのだと、この1年で強く実感しました。



この冬は、その“左手”を鍛える期間にしたいと思います。

積み重ねた分だけ確かに自分の力になること、そしてその力がレースを動かす自信につながることを信じて、地道に取り組みます。

年明けのロードレースでも、その後のトラックシーズンでも、


「自分がレースを作る」選手になるために。




明日は長距離ブロック1年の八谷謙太朗にお願いしました。LINEでお願いして即引き受けてくれました、ありがとう!

八谷とは授業で部活の時間が被らない時以外、話さない日はほぼないです。お互い競歩ブロックということはもちろんありますが、それ以上に八谷がいると用もないのになぜか話しかけたくなってしまいます。


「橙子さんストロー行きません?」

と言われた日の練習はなぜかどんなに脚が張っている日でも、前日弱い腕に見合ってない筋トレをしガチガチな日でも、自然と「いこ!」と言っており、不思議と歩くのが楽しくなっています。いつでも誘って欲しいです!


いつも笑わせてくれる可愛い、髪型もキマッている(最近は少々生意気、?(笑))、後輩です。


そんな八谷ですが、競技に対して私が尊敬する所は多く、とても刺激を受けます。脚の残し方、腕振り、細かいところまで自分の歩きを常に分析しているのが印象的です。それを言葉にして共有してくれるため、私も、「あっ、そういう感覚もあるのか」、と新しい気づきをもらうことがよくあります。

関東新人では自己ベストを更新し、そこからさらにメキメキと力をつけています。


冬のシーズン、風が強くて歩きだと全然前に進まない日やいつまでも温まらない日も多いですが、お互い頑張ろうね!明日はよろしく!