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部員日記

小平敦之: 「考える」ということ

こんばんは。安江から引き継ぎました、長距離ブロック3年の小平敦之です。

昨日の紹介にもあった通り、僕と安江は小学校の頃から陸上競技を続けているという共通点があります。小学校の頃に埼玉での大会に出たこともあったので、僕も名前は知っていました。チーム柏の3人を覚えていてくれて何よりです。

また、本キャンに通う数少ない同期でもあるので、一緒にご飯を食べたりすることも多いです。愚痴も受け止めてくれるひろーい心の持ち主なので本当に助けられています。そして、彼は夏の練習をしっかりこなし、着実に実力をつけています。先日の上尾ハーフでも自己ベストを大幅に更新する走りをみせました。これからも一緒に泥臭く這い上がっていこう!


さて、前回の部員日記から1ヵ月ちょっとというところで割と早めのスパンで回ってきたわけですが、この期間は自分にとって濃いものであったと思います。その中でも1番の出来事はもちろん全日本大学駅伝の出走です。

レース中きつい場面があるのは間違いないのですが、とにかく楽しかったというのが感想です。レース前も緊張というよりかは、今までの練習でどれだけ通用するのか確かめるという意味でワクワクしていました。自分の役割は安全運転で襷をつなぐこと。もらった時の前との差と自分自身の実力を考えたときに、ペースを刻むという事しか僕にはできませんでした。最低限、順位を落とさずに襷を繋ぐことができましたが、もっと強くなりたいと思うレースでした。その一方で、個人順位では負けてしまったのですが、高校の頃も一緒に走る機会の多かった有一くんとお互い初駅伝で並走できたことはとても嬉しく、思わず笑みがこぼれてしまいました。そういう面での駆け引きを含めてやはり駅伝は面白いなと思いました。箱根駅伝も走りたいとより感じるようになりました。


その後の上尾ハーフでは、タイムを狙いに行くというよりはペースを黙々と刻むという形で走りました。箱根駅伝に向けてハーフマラソンでもっと走れるという自信と余裕を残した上で走り切ることができたのはとても収穫であったと思います。昨年はついていくのにいっぱいいっぱいだったところから、今年は自分でペースを作れるところまで成長できた点でも良かったです。今はまだ調子が良いの延長線上だと思いますが、しっかり実力がついたといえるようにこれからも継続した練習を行っていきたいと思います。

競技人生の中で僕にとって一番苦しかった時期は高校時代というのはタイムや実績からみても想像がつくと思います。就活をしていることもあり、最近自分の過去について振り返ることがありますが、少しずつ走れるようになってきた今でもやはり「早稲田実業」という選択をしたことは最良の選択であったと改めて思います。

そこで今回の部員日記では「早稲田実業」の魅力、早実が自分に授けてくれたものについてお話しできればと思います

僕が早実を志望した理由は、「早稲田大学で駅伝を走りたい」「勉強・部活どちらも高いレベルで極めたい」という2つでした。

早実の早稲田大学への進学率は限りなく100%に近く、先輩でも競走部に進んで活躍している方が多くいらっしゃったということもあり、確実に早稲田大学で走るならと思っていました。早実の部活の体験に行った際にも、「もし怪我などで苦しんだ際にも大学までの7年間で結果を出すという考えで取り組める」と先輩がおっしゃっていたのが印象的です。

また、そのような環境でも石塚先輩のようにインターハイで2年生で入賞されている方がいたのは「早実に行きたい」と強く心から思う要因でした。実際に1年間ではありましたが、石塚先輩の近くで練習できたことで陸上に対する意識の高さ、質の高い練習を行うことができたと思います。


部活以外でもかなり恵まれた環境でした。知り合いが全くいないコミュニティで1から関係性や自分という人間を作り上げるのはとても不安でしたが、本当に良い出会いが多かったです。甲子園や花園、春高バレーに冬のサッカー選手権を見てもわかるように推薦入試ではスポーツや文化でトップを極めたような仲間が集まってきます。それに加えて、初等部、中等部、高等部一般入試と様々な背景をもった仲間も全て同じクラスで学びます。これはかなり珍しいのではないでしょうか?(中等部からあるような学校は入学のタイミングや形態で割と違うクラスで学んでいるようなイメージがあります。)だからこそ、互いを尊重し、高めあう文化が生まれているのではないかなと思います。

その中でも1年生の時のクラスでの出会い、習慣というものが高校生活にとどまらず、僕の人生自体にも大きく影響を与えてくれました。たまたま勉強を頑張りたいと思う人が多いクラスだったということもあり、ほとんどの教科のクラス平均が10クラス中トップ、10点以上他のクラスと違う事もあるようなすごい環境でした。それに甘んじることなく、休み時間もみんな勉強しているし、早く登校して一緒に勉強しよう!という文化がある学年の中でも自分たちのクラスだけ異質な時間が流れていたように感じます。(笑)(そんなずっとがちがちなわけではないので、早実を検討されている方怯えないでください…)

上述のようにそんなレベルの高い環境で過ごすことが目的でもあったので、どうやったらこの中で自分を高めていくか試行錯誤の日々でした。通学時間も2時間弱かかっていたということもあり、忙しいときは20:30に帰宅、22:00就寝、4:45起床という時間的制約の中で効率的に勉強していたと思います。電車の中で赤チャを解いたり、どうにかしてスマホを使わないように友達といろいろ考えて、スクリーンタイム10分程度の生活を実現したりしたのはいい思い出です。それでもクラスで1番を取ることはできなかったので、満足はできませんでしたが、、(笑)



もう1つ様々な友人と出会った中でも、自分の価値観が変わったのは1年生の頃の組長(いわゆる学級委員)との出会いです。(多分早実出身の同級生はもうおわかりでしょう)おそらく、彼に影響を受けた人はたくさんいることでしょう。

とにかくみんなのために、と動いてくれる最高のリーダーで、大会などで休むことが多かった僕は沢山助けられました。それまでもたくさんリーダーというものを経験してきましたが、こんなに人のために動こうと思ったこともなかったし、あくまで行動の動機は全て自分のため、自分の成果を上げるためにはどうしたらよいのか、ということでした。自分がしてもらって本当に嬉しかったし、助かったということで自分もそういう人間になりたいと思うようになりました。高3の時には組長を務めさせてもらって、彼のようにみんなのためになるようなことができたかどうかはわかりませんが、「毎日の時間割と持ち物、課題のリマインド」「背面黒板のカレンダー、課題締め切り一覧表の作成」「毎日自分のノートやメモを欠席者に送る」ということはやってみました。

この価値観の変化があったからこそ、自分を高めるという動機に対して自分のためだけでなく、他人に還元するためにというものが加わり、より強い気持ちを持って努力というものと向き合うことができるようになった気がします。





そして、もう一度部活の方に戻らせていただきます。

僕自身、貧血や怪我に悩まされたというのは皆さんご存じだと思います。詳細は綴りませんが、怪我後に早く戻すために焦ったこと、自分の体重が速さの全てだと思ってしまったことなど、考えれば走れないのは妥当な結果だったと感じます。しかし、この苦しみは僕にとってとても良い経験であったと思います。

「考える」こと。

これを常にし続けたことで僕自身大きなものを得ることができたと思っています。もちろんインターハイや都大路に行きたかった、そんな代償もありますがそれでもこの経験があってよかったと今の僕は言えます。

基本的に早稲田大学もそうですが、早実の陸上部は「自主性」を重んじる部活動です。様々な目標をもった部員が所属するからこそ、その目標に向けて自分で考えて努力する。顧問の北爪先生が練習メニューを出して下さりますが、そこに関しても自分はこういう方がいいと思うんですけどどうですか?と提案可能で、対話をしながら作り上げていくことができます。北爪先生は都大路にも出場されていますし、箱根駅伝で優勝されているということで経験豊富です。だからこそ、もちろん自分の提案が間違っているときには修正して、伝えてくださることもありますし、自分自身としても吸収すべき部分がたくさんありました。そのような方と自分の目標やチームの目標について、議論を交わし、挑戦できたのはそれ自体がとても良い経験でした。

「考え」て自分で提案するという「選択」には自分の「責任」というものが発生します。自分で責任を負わなくてよいのならば、そのまま他人に任せたいという人は多いかなと思います。練習メニューやそれ以外の補強の面、栄養の面、チームの作り方、いろいろ自分で考えて取り組んできましたが、それは高校の時には「結果」ではなく「失敗」という形で終えました。そこに「自己責任」というものが発生しているからこそ、僕自身その記憶を鮮明に覚えていますし、そこからどうにかして生かして、「失敗」の意味を作り出してやろうと思いました。(チーム作りに関してはとても大変だったけど、個の強い中で1つの目標を全員が達成したい、達成するためにこうするべき、と熱意をもって議論できるチームになったと思っているので、ついてきてくれた仲間には感謝しています。)

そういう意味で「考える」ということはとても重要で、学びをくださった北爪先生にはとても感謝しています。

これは大学での競技にも言えることで、僕はこれからも「考える」ということを大切にしていきたいと思っています。競技をしていれば感じる、センスの差。それは少なからずあります。でも、それを埋めるための手段として、僕の強みとして「頭」で勝負することかなと。難しい理論もありますが、「自分」という体を使って行う競技だからこそ、自分の競技力を最大限まで引き上げるために本当に必要なことは何かと考えることや日々の体の感覚を自分なりに言語化することを今の僕は意識しています。考えて、考えて、考え抜いて、走った先に「箱根駅伝優勝」を実現できるよう、頑張ります。




早実のチームとしても今回の都駅伝で7位ということで悔しい思いをしていると思います。でもここからきっと来年いいチームになって帰ってくる、そう信じています。(少し偉そうな言い方になってしまい恐縮ですが)ぜひ頑張ってください。

僕たち早実OBとしても早実に勢いがつくよう、活躍できるように頑張ります!

高校の頃についてだいぶ詳細に語らせていただきましたが、陸上部としても他の勉強の面をみても、とても素晴らしい学校だと思います。この声が進学を検討されている方の参考に少しでもなりましたら幸いです。





明日は、トレーナーブロックの玄應さんにお願いしました。短距離の4年生の引退リレー以来書かれていないとのことで回させていただきました。

玄應さんは短距離の引退のタイミングから長距離の方の練習のサポートをしてくださっています。昨年、中田さんがいなくなるタイミングで気軽に相談できる方がいなくなってしまう、、と不安でしたがそれは杞憂でした。「挫折経験」がない!というほど物事をプラスにとらえるらしく、とにかく明るい方なので、話しやすくて助かっています。上半期の怪我の際には沢山お世話になりました。

また、朝練習に早めに向かうともうすでにいらっしゃるのが印象的です。キャンパスから遠いのもあり、自分たちよりも圧倒的に早い時間に起きていらっしゃるという事を考えると感謝しかありません。改めて支えてくれる仲間がいるからこそ、自分たちが競技を行えているのだなと感じさせられます。一緒に活動できるのも1ヵ月ちょっと。残りわずかですが、よろしくお願いします!

かなり冷え込んできており、所沢も朝は0度に迫ってきました。まだまだこれからではありますが、体調を崩しやすい季節だと思いますので、お気を付けください。相変わらずまとまりのない文章ですが、本当に最後までお読みくださり、ありがとうございました。