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玄應瑞記:最大公約数
(※サムネイルは落ち葉と格闘中の一コマです。詳しくは、小暮の部員日記をご参照ください)
こんばんは。
小平から引き継ぎました、トレーナーブロック4年の玄應です。
「一緒に練習してくださってるのに、もう書くタイミングが無いのでは」と回してくれました。なんて気の遣える後輩なのでしょう。(一番お世話した岡本あたりにも見習ってもらいたいものです、笑)
誰かが自分を見てくれているというのは、やはり嬉しいです。ありがとう。
長距離の選手は毎日練習日誌を書いていて、私も覗いているのですが、小平の日誌は "的確さ×熱量×分量" の三拍子が揃っています。夏の怪我や体調不良を乗り越え、全日本駅伝の出走を勝ち取った姿に「念願叶ったね」と勝手に思っていました。が、私が浅はかでした。その日には、すでに次に向かう強い覚悟の文字が綴られていました。この人、やっぱり強い。
来年以降のチームにも小平のように俯瞰してチームを見渡し、考え、必要な場面で言葉が出せる存在が必要不可欠だと思っています。小平にしか出来ない立ち位置が絶対あると思っていますし、勝手ながらにキーマンだとも思ってます。頑張ってね。そして、一緒に頑張ろう。
短距離が引退した後も、有難いことに私はグラウンドにいます。同期ロスに浸る間もなく、気づけば長距離の皆との夏に放り込まれていました。
「居場所は与えられるものでなく、作るもの。」
弱肉強食な競走部で学んだことの一つですが、それでも、嫌な顔をせず迎え入れてくれた白石をはじめとする長距離スタッフの皆には、本当に感謝しています。
夏のポイント練習はスタッフも汗をかきます。マネージャーは小走りで計測。私は100m弱を、動画を撮影しながら選手と並走し、ボトルとスポンジを渡し、受け取ったらダッシュで戻る。これを数十回繰り返すシャトルランです。
後輩に「玄應さん、意外と僕らのペースでめっちゃ走れるんですね」と言われてきましたが、"意外と" の前に何が隠されているのかは聞かないでおきました。
合宿にも参加させていただき、皆と過ごす時間が増えるほど、「この人たちと」という想いが募っていきました。
そして、気づけば「知りたい」という気持ちから毎日のように練習日誌を開いていました。その日の身体の声、悔しさ、ぽつんと置かれた1行だけの本音。まだ誰にも打ち明けていない小さな決意。
日誌に刻まれていた、あの文字たちから、私はいつもの選手の“目に見えない部分”を教えてもらっていました。「この人は、こんな景色を見て走っているんだ」と知るたびに、距離が縮まるような、逆に背筋が伸びるような、不思議な感覚がありました。
井上と智規に報われてほしい。
これが、111代目の中で私が見つけた、揺るぎない原動力でした。
私1人でできることはどれも、ちっぽけなことばかりです。
でも、“細部に神は宿る”ではないですが、そのちっぽけが誰かの力になると思っています。
確信がなくとも、「信じる」という行為だけは奪われません。
だからこそ、そう信じるしかありません。世の中、案外そんなもんです。
私は、元々気の遣えるタイプではありません。高校の親友・はなちゃんは一緒にいると自分が悲しくなるくらい良い子で気が利く天使みたいな子で、
「はなちゃんならどうするかな」「この選手は今、何を求めているんだろう」と少しだけ背伸びしながらここにいます。
永遠に未熟な自分と戦いながら。
永久解散まで、あと43日。
体専ジャージを着ることも、国立競技場の室内練習場へ向かう幻のエレベーターを待つことも、凍えるグラウンドで手足の感覚を失うことも、朝の体操を皆とすることも、きっとありません。寂しいです。
111代目が始まる前は「早く引退する日が来ないかな」と思っていましたが、今は「もう一年皆と頑張れたらな」なんて思ってしまう自分がいます。
人の気持ちなんて簡単に変わるもので、それくらい毎日が充実しています。
ここで出会った仲間と過ごした時間は人生の財産です。
早稲田大学競走部に4年間捧げてきてよかった。
ようやく胸を張り、自信を持ってそう言えます。
明日は長距離ブロック4年の伊藤幸太郎にお願いしました。
先日の上尾ハーフ、見事な快走でした。とても嬉しかったのと、「部員日記が高校編で止まっているじゃん」と思って頼みました。ありがとう!
全体の練習以外で、補強のメニューが綴られたA4の紙を手に橋の下でコツコツと補強している幸太郎の姿をよく見かけます。努力家です。
そんな幸太郎を慕っている後輩も沢山います。どのくらいかと言うと、”幸太郎一派”という派閥ができるくらいにです。(聞くところによると間瀬田組と最近は、たまらんちグループも併存してるとか)
先日の朝練習の帰り道には、「昨日、名字ランキング調べたら競走部の中で1位だったよ!」とニコニコ報告してくれました。突拍子もない事を言い出したり、かわいい同期でもあります。
智規さんを筆頭に同期にはやっぱり報われてほしい。
私の口から言って良いことかもわかりませんが、4年目の箱根路、待ってます。
明日はよろしくね。
4年間、支えてくださった全ての皆様に心より感謝申し上げます。そして、自転車を漕ぐのは寒いという何とも我儘な理由でグラウンドまで送迎してくれる両親にもこの場を借りて。
寒い日々が続きますが、そんな寒さすら吹き飛ばす臙脂の輝きを、必ず魅せてくれると思います。
早稲田大学への変わらぬご声援を、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、失礼します。







