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小平敦之:EKIDEN
こんばんは。武田から引き継ぎました、長距離ブロック3年の小平敦之です。武田とは2カ月ほど前に部員日記リレーをしたばかりでしたが、こうして箱根メンバーとして部員日記リレーをすることができてとても嬉しいです。以前も書きましたがやはり同じ高校出身という事で、他のメンバーの頑張り以上に互いに刺激を受けて、いい方向へと引っ張りあうことができているのではないかなと思います。今シーズンは夏から怪我含め苦しい思いをしていましたが、それを乗り越えてメンバー入りした彼は今までと一味も二味も違う、走りを見せてくれることでしょう。残念ながら高校時代含めまだ襷リレーをしたことがありません。それを箱根駅伝で叶えよう!
さて、前回の部員日記は僕の高校、早稲田実業についての話をさせていただきました。「部員日記長いキャラ」も定着し、半ば呆れている方もおられるでしょうが、「この分量以上にもっともっと濃い高校生活だったでしょ!!」と言ってくれる友達もいました(笑)それは間違いないので、今後機会があればお話しようと思います。今回の部員日記は「箱根駅伝で走る距離1㎞×1000字で行きましょうよー!!」と可愛い後輩、竣平くんに言われたわけですが、そんな無謀なことはしません(笑)おそらく書きたいことを書いたら、それなりには長くなるのではないかなと思いますので、今回も覚悟を持って読み始めていただければと思います。(12/20に完成したものを一部修正しているのでご了承ください。)
1.「箱根駅伝」とは
1-1.競技者から少し離れた視点からの箱根駅伝
1-2.箱根駅伝を目指す僕にとっての箱根駅伝
2.応援の力
2-1.中学校の先生
2-2.大学の仲間たち
2-3.応援してくださる方々へ
こんな形のアジェンダで進めていければと思います。普段の部員日記ならラフに読んでもらいたいので、あえて章立てをすることなく、思いつく言葉を連ねていくのですが今回は予め書きたいと思っていることが決まっていて、わかりやすくお伝えしたいと思い、このような形をとります。本とかが苦手な人にとっては、少し取っ掛かりにくいなと思うかもしれませんが、可能な限り読みやすい文章を心がけていきたいと思います。
1.「箱根駅伝」とは
1-1.競技者から少し離れた視点からの箱根駅伝
先日発表された2025視聴率ランキングでも17.8%で年間3位となっている程の箱根駅伝。僕自身は競技者としてその場を走ることを目指して日々過ごしているわけですが、競技者という立場ではありながら、より運営に近い立場になったことでより競技者以外からの視点に気づくようになりました。
ありきたりではありますが「箱根駅伝」は1スポーツ大会とは言えないほど、数えきれない主体が動き、開催できているイベントであると思います。
まずそれを一番実感したのが、12月13日に行われた合同取材でした。50社近くの取材陣の方が来てくださり、とても注目度の大きさを感じましたし、こんなに同時にたくさんのカメラを向けられることは芸能人にならない限り今後ないんだろうなとも思います。取材がこんなにあるのはその先に応援してくださる方々の情報のニーズがあるからこそだと思います。戦略上お話しできないこともありますが、ただがむしゃらに1年間練習だけして箱根駅伝を迎えているわけではなく、各大学、各選手が大学入学以前から様々な背景の下、様々な紆余曲折を経て辿り着いています。そのストーリーを踏まえて観戦していただけるとより箱根駅伝の魅力が伝わるのではないかなと思います。それを伝えてくださるメディアの方々も、例えば僕のこの長い部員日記を読んでから取材に来るなど、大変な労力をかけられています。(ごめんなさい、、)この情報はどこから取ってきたんだ、というような話も仕事とはいえ裏では血のにじむような努力をされていると思うと頭が上がりません。
次にスポンサーの数です。僕自身が見ているときは、サッポロビールさんのCMのイメージしかなく、特に宣伝効果などは考えることなくただ見ていました。しかし、今では大会運営に対するスポンサーだけではなく、大学に対するスポンサーというものも増えてきました。僕たち選手がテレビに映る際にユニホームのロゴがテレビに映るのもそうですが、大学サポートの実績というものも重要視されるようになってきています。だからこそ、自分たちの走り、実績もそうですし、選手個々人、チームとしてのイメージというものも企業イメージにつながってくると思います。学生スポーツではあるので賛否両論ありますが、自分たちの走りだけに集中しがちな中でも、サポートされながら選手として走る以上、自分たちの走りや行動に価値を期待されていること、そして「箱根駅伝」というひとつのビジネスを成功させる一主体であることを頭の片隅においておくべきだと思います。
そして、最近ではさらに「箱根駅伝」というコンテンツをさらに大きなビジネスにしていく動きも出てきているように感じます。例えば、大学によるグッズ販売、クラウドファンディング、アプリの開発などが挙げられるでしょうか。大学、部自体が箱根駅伝に対するビジネスチャンスを見出して、動き始めています。(もちろんビジネス目的ではないかもしれませんが)より多くの人を巻き込んで、より大きなビジネスにすることによって、よりたくさんの人に駅伝の魅力を知ってもらえる、そんな嬉しいことはないです。
僕自身今就職活動を進めていく中で、「箱根駅伝」というビジネスのパイを広げていくためにはどうしたらよいのか、と考えることがあります。かなり大きなビジネスになっていて、入りこむ穴が少なくなってきてはいるのかなと。青学の原監督がおっしゃっているような、「全国大会化」が可能性としては高いような気もします。(昨日記念大会で全国の大学が予選会にも参加、全日本大学選抜も参加ということが発表されましたね!タイムリーすぎてびっくりしました。) 関東ではテレビを見る人、現地で見る人を含め、一定の限界値に近い状態にあるように感じるので、全国化により単純に興味を持って母数を増やすことができるのがメリットかなと思います。
それ以外には、公の部分で、もっと大学と地方自治体の結びつきを高めていくことで、箱根駅伝にはつながりながらも、大会前後のビジネス創出というものが考えられるのかなと思います。競技を行う公共の環境整備のための雇用創出、地域の教育委員会などと連携した陸上教室、「推し」文化に乗じたチームや選手と結びつきの強い店舗の一観光地としての売り出し、などが考えられるでしょうか。考えてみるとなかなか難しいです、、。
そういう意味では、駅伝関連の新たなビジネスとしてYoutubeという新しい境地を切り拓き、自分の立ち位置を確保されたたむじょーさんはすごいと思いますし、駅伝の魅力を発信してくださっており、とても競技者として嬉しいです。いずれにせよ10年後には今考えつかないような、驚くべき第3者視点から、異なる職域と結びついたコンテンツができているかもしれないですね。僕自身も将来どのような仕事をしているかはわかりませんが、「箱根駅伝」はより盛り上がってほしいですし、盛り上げる立場であれたら嬉しいなと思います。
少し僕自身の箱根駅伝への思いからは離れた見方をしましたが、今僕自身は一競技者であるので、大会当日やるべきことはチームとして優勝するために自分の走りをするだけであることに変わりないです。それが結果として箱根駅伝の盛り上がり、ビジネスとしての拡大に繋がっていくと考えています。
1-2.箱根駅伝を目指す僕にとっての箱根駅伝
箱根駅伝以前に「駅伝」というものは自分の実力以上のものを引き出しうるポテンシャルを秘めたものであると思います。僕のInstagramやXのユーザーネームを見ていただければわかるように、アカウントを作ってからずっと変わらず、「Ekiden」が入っているくらい、駅伝が好きです。(自分の走りを全くコントロールできなくなってしまった高3時を除き)駅伝では僕自身の実力通り及び、それ以上の力を引き出してくれたのではないかなと思います。これはメカニズムなどでは語ることのできない、「襷の力」の部分でしょうか(笑)個々人のタイムの足し算ではあるのですが、チーム力というものが確実に影響を与えているのは間違いないと確信しています。
メカニズムでは語れないと言っておきながら数式で表すとするなら、
(あくまで僕自身、小平の見解なので温かい目で見てください、、)

(αk=個人のチームに対する思い、xk=個人の実力、β=走るメンバー以外の力、応援の力)であるかなと(笑)(数学嫌いな人ごめんなさい、もともと理系だったもので、、)
チームに対して貢献したい、勝たせたいという思いを一人一人それぞれがどれだけ持てるかが個人の結果の足し算に関わってくるのかなと思っています。個人の実力の部分も、当日実力の100%出せる状態に持ってこれているかどうかも細かくしていけば異なってくることを含めれば、駅伝が単純な足し算でないことはお分かりいただけると思いますし、そこにこそ「駅伝」の面白さがあると思います。
僕自身、駅伝との出会いは悲惨なものでした。小4で学校代表として出場した市の駅伝大会で明らかに僕の凡走のせいで目標の優勝を逃しました。襷を繋いだ6年生の先輩方にはもちろん、走れなかった6年生の先輩方に申し訳なく、そのあとしばらくの間は1人でそのことを考えるたびに苦しく、悲しくなり、お風呂につかりながら何度も涙を流しました。それ以降、責任の重さから駅伝を嫌いになっていたと思います。
そんなまま1年が経過して同じ駅伝大会を迎えることになりました。この時の経験が仲間のために走る駅伝の魅力に気付かせてくれました。前年の背景を知っていた当時の6年生のキャプテンが初詣で「小平が楽しく走って力を出し切れますように」とお願いしたそうです。彼はキャプテンとして「チームが優勝できますように」でもなく、自分が怪我気味で走れるかどうか怪しいのに「自分の足が治りますように」でもなくそのお願いをしてくれた。(もちろん真実はどうかはわかりませんが)僕はそういう解釈をしました。その話を聞いて僕は絶対この人のためにいい結果で走って優勝したい、と本気で思えました。最終的に自分もヘマをせず、チームが優勝できたことで駅伝という嫌いなものを克服することができました。克服というより、こういう他人のために頑張るスポーツっていいなとも思うようになりました。おそらく当人は「なげえよー」と言ってこの部員日記は読んでいないと思われます。(笑)でもこの人の言葉があったから、僕は今駅伝を続けられていると思います。
きーちゃん先輩改めてありがとうございます!!
さて「箱根駅伝」の魅力に戻るとなんといっても、その区間によって異なる特徴のコースでしょう。山上り、下りの特殊区間は言わずもがな、気象条件にも左右される過酷なコースとなっています。その区間に適性のある選手を配置できるかどうか、戦術を含めて大事になってきます。これはある程度の方がご存じだと思いますが、競技者の僕が気づいた魅力がもう1つあります。
それは「チームごとのカラー・アプローチ方法」です。
どのチームも箱根駅伝、1月2日3日に選手のコンディションを最高の状態に持ってくるために、1年間かけて試行錯誤します。正直、これ!といった一つの正解というものがないから面白いんだと思います。おそらく、箱根駅伝で勝ったチームと全く同じように練習をしたとしても勝てないと思います。1年間のプロセスがそのチームにとっての正解であったにすぎず、それぞれチームによってどんなタイプの選手がそろっているのか異なりますし、チームの中でも年によって最適解は微妙に異なってくると思います。怪我をしないようにしながらも、実力を最大限引き上げるためにはどのくらいの強度の練習を組んでいくか、どこで大会に出て結果を出させて自信をつけるか、メンタル含め調子をどうやってコントロールしていくか、と監督は考えることばかりです。やりがいはありそうですが、大変そうです、、でも選手たちは監督の方針に魅力を感じ、入学を決め、監督を信じて競技を行っていることに間違いはないです。
僕たち早稲田は
「圧倒的個と泥臭さの融合」「指導者がいなくても動ける自立した競技者像」
がチームカラー、目指すべき大枠なのかなと思っています。(あくまで僕の意見です)
最終的に推薦、一般組というのは関係なく同じ舞台を走ることになります。もちろん大学入学時には一定の実力差があるわけですが、箱根駅伝という場に立った時には推薦組だから速い、一般組だから力が劣るけど勉強も頑張っててすごい、そんな言葉で片付けたくありません。箱根駅伝の先に世界を見据えている人、箱根駅伝に出るために4年間かけて積み重ねていく人、個々人で箱根駅伝の捉え方は異なりますが、走りの中でも選手それぞれが強みを持っています。持ちタイムでは推薦組が速いものを持っていると思いますし、実際一緒に練習をしていて速いなとも感じます。それでも先述のように特徴の富んだコースであるからこそ、一般組が入部時点であった実力差を埋めるために練習して培ってきた泥臭さ、粘り強さが発揮される場面が必ずあると思っています。勉強との両立という面で褒めていただけるのはとても嬉しいですし、一般組と呼ばれることに対しては嫌悪感もありません。自分でいうのも、、という感じですが勉強との両立、下から這い上がる姿を一般組に属している僕が見せることで一般組の目標、そして早稲田を象徴する選手であると思ってもらえるように頑張りたいと思っています。でもぜひ本戦では属性だけではなく走りの本質の部分に注目していただけると嬉しいです。
また、花田さんが目指す競技者像として「指導者がいなくても動ける自立した指導者像」があります。世界を目指す選手はこの先のキャリアのために自分で考えて主体的な競技者を目指す。下から突き上げを目指す選手も実力差をひっくり返すために与えられた練習プラスアルファで自分で考えて練習する。それぞれ違う境遇に置かれ、違う目標を抱えながらも同じ「自立」という手段が求められている、まさに早稲田のチームカラーであると言えます。
このチームで1年間歩んできたプロセスの答え合わせまであと1週間。
勝つために求められるのは区間賞。順調に練習ができているので自信をもって臨めると思います。
今できることは限られていますが、最高の準備をしたいと思います。
2.応援の力
2-1.中学校の先生
2-2.大学の仲間たち
2-3.応援してくださる方々へ
こちらですが、かなり長くなってしまった(竣平理論ではまだ6㎞ですが)ので、次回以降に繰り越すことができたらと思います。(決して期限がギリギリというわけではありません、現に今書いているのは12月20日です)
できる限り短く要旨を書くとすると、、
箱根駅伝を走りたい、という僕一人の目標だったものが、年を重ねてたくさんの人と関わるにつれて、その人たちの夢や思いをのせたものになってきました。小・中・高校の先生、野球チームの監督、塾の先生たち、小・中・高の友達、大学でのゼミの仲間たち、、、挙げ始めればキリがありません。嬉しいことに(自分でいうのも気が引けますが)「コミュニケーションをとる中で、僕自身の人間性を知って純粋に応援したいと思った」、「結果以上に目標に向けて頑張る姿を見て自分自身も頑張ろうと刺激を受けている」と言ってくれる人が多いです。だからこそ、今の僕の目標は箱根駅伝を走るその先にありますが、「箱根駅伝を走る」という元気で、成長した姿を見せることで、「小平敦之」という1人の人間を応援していてよかったと思ってもらえるようにしたいと思います。
また、早稲田大学を応援してくださる方々へ
本当にたくさんの支援、応援ありがとうございます。確実に僕たちの力になっています。
自分たちの力を出し切った先に箱根総合優勝があると思っているので、最後まで信じて応援していただけますと幸いです。
勝負事ではあるので他校の選手も走っている時はライバルです。その一方でレースが終われば互いの健闘をたたえあう、そして駅伝界を盛り上げる同志でもあります。ぜひ早稲田ファンの方は、これから箱根駅伝が終わるまでは早稲田のメンバーが持っている力を出し切れるように応援に全集中で。そして勝ち負けはつきますが結果が出た後は早稲田だけではなく、他校の走った選手たちの頑張りを称えていただけたら、応援してくださる方々と一緒に戦っている選手の身からすると嬉しいです。早稲田が優勝後に純粋にファンの方々と一緒になって喜べるよう僕たち選手も頑張るので、応援してくださる方も一丸となり早稲田代表としてともに戦いましょう!
「頑張れ」のたった一言でも選手の力になります。ぜひ大会当日に向け、たくさんの応援をいただけますと嬉しいです。
明日は長距離ブロック3年の工藤慎作に引き継ぎます。もう説明はいらないでしょう。前回の箱根駅伝では給水をさせてもらいました。彼の走りには毎度の事驚かされます。驚かされはするのですが、確実にそれに裏打ちされた努力があるのは間違いないです。同じ千葉県出身ということもあり、刺激を受けて頑張ろうと思っています。中学の頃はまさか同じ大学で襷を繋げるとは思っていなかったなあ、!かなり先をいかれてしまっていますが、来年(もし機会があれば)どこかのレースで工藤に勝てるように挑戦したいと思います!箱根頑張ろう。そして、明日はよろしく!
最後までお読みいただきありがとうございました。毎回拙い文章ではありますが、感想をくださる方々のおかげで楽しく部員日記が書けています。偉そうに見えていてしまっていたら申し訳ないです。内容はあくまで僕自身の考えなので、こういう考え方をしている人がいるんだな、程度に軽く受け止めていただけると幸いです。
朝晩かなり冷え込んでおりますが、体調にはお気を付けください。チーム早稲田全員で万全の状態で当日を迎えましょう。箱根駅伝当日は応援よろしくお願いいたします。








