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西徹朗:2歩下がっても3歩進む
こんばんは。
木村より引き継ぎました、ハードルブロック大学院1年の西徹朗です。
キムケンが昨日書いてくれた1年生の時のエピソードについてですが、私は本人の予想どおり全く覚えていません、本当にごめんなさい!とはいえ私がその話を覚えていないくらい、印象に残る思い出が他にもたくさんあったのです。3年前の菅平合宿で1週間同じ部屋だったことや、富士北麓の帰り道に渋滞を回避して山道を走ったこと、睡眠実験の被験者を私の熱発で飛ばしたこと、全日本インカレのコメントを一緒の食事中にお願いされたことなど、挙げ始めたらキリがありません。これなら彼も許してくれることでしょう。
キムケンは人前に立ち多くを語る人間ではありませんが、それでも彼がその場に“いる”ことの効果は絶大です。自分の仕事を淡々とこなしながらも後輩のマネージャーに的確な指示を出したり、私が彼の部屋を訪れた時には大抵何らかの作業を行っていたりと、競走部という組織を円滑に回すことにおいて彼の右に出るものはないでしょう。そんな彼の働きを見ているからこそ、眞下をはじめとする後輩マネージャーたちが日々成長しているのだと思います。私が競走部寮の会計を行っていた際も、彼の働きを見て自分もちゃんと取り組まないといけないと思わされたことが何度もあります。それくらい、彼には周りをちゃんとさせる力があるのです。特にこれから寮長になる部員は全員、彼の爪の垢を煎じて飲んだ方がいいとさえ思ってしまいます。
今年は僕が練習に参加できていないので、キムケンと関わる機会が自然と少なくなってしまいました。これだけ語ってきたのにラストイヤーの思い出がないのは寂しいです。なので、何としてもキムケンが引退するまでに復帰をし、練習のタイム計測をお願いしようと思います。その時に快く引き受けてくれたら私は嬉しいです。
試合に出られるのも実力のうち
11月の冬季練習から前半シーズンまで、全てはこの言葉に尽きます。前回の部員日記で言っていたにも関わらず、6月の日本選手権には出場することさえ叶いませんでした。アジア大会への出場権を争うばかりか、地元名古屋でお世話になった人たちの前で走ることさえ叶いませんでした。他にも、関東インカレなどの対校戦やグランプリシリーズなど、後輩たちが試合で戦っている姿を私は見ていることしかできませんでした。その度に自分が何もできないことへの悔しさが募りました。「この試合に自分が出られていたら」を考えたくなる時もあります。ですが、試合について考えることは、その舞台に向けて日々練習を積み重ね、最大限の準備を行ってきた選手たちにのみ許された特権だと私は考えています。試合に出られる状態ではなくなってしまったら、その時点でもう敗北が決定し、勝負の舞台から除外されるのです。だから、自分の心身との対話を拒んだ私にはそれを考える資格すらありません。試合に出られないことはそれほど重い事実だと私は受け止めています。
最近は自分が走っていないので、練習を外から見ることが増えました。そんな私から見て、みんなが日々練習に打ち込んでいる姿は輝いて見えます。だからこそ、後輩たちには極力怪我などで練習を離脱してほしくないし、その輝きを失ってほしくないと思っています。練習を遂行することは強くなる上で最重要の項目ですが、視野が狭まって練習自体が目的になってしまっては元も子もありません。十分に走ることができる心身があって初めて良い練習は成立すると思います。菅平合宿に跳躍合宿、所沢強化練習と、夏の鍛錬期で身体的にも精神的にもキツイ練習が続いていますが、みんなにはどうか自身との対話は欠かさず行ってほしいです。試合に出られず練習にも参加できないのは寂しいことですから。
とはいえこの半年間、私が全く何もしてこなかったわけではありません。出来ることを少しずつ増やしながら、自分の状態を見ながらではありますが、その中で自分にできる最大限を積み重ねてきました。走れなくても、練習ができなくても、考えることはできるし、他者の動きを見て学ぶことはできます。自分の走りの改善点はどこにあるか、復帰した時に自分が目指すべき走りとは何なのだろうか、それを実現するために今の自分は何をするべきだろうか、そんなことを考えながら日々リハビリに取り組んでいます。走っていない分、幸か不幸か時間だけは山ほどありました。おかげさまで股関節と体幹周りの可動域は人生最大レベルまで広げることができました。やはり今日できるようになった事を積み重ねていくのは楽しいですね。陸上競技14年目の22歳にして改めて練習の大切さを実感することになりました。スポーツが持つ本質的な楽しさはそこに存在するような気がします。最近は少しずつ走れる状態を作れるようになりました。今は考えてきたことを実践に移して試行錯誤するのが楽しみで仕方がありません。ゆっくりではありますが、単なる復活ではなく更なる進化を目指して日々練習を積み重ねていこうと思います。
他の選手たちからしたら、今の私の取り組みは亀の歩みのように見えるかもしれません。それでも私は上を目指すことを諦めるつもりはないし、そういう意味では全日本インカレに向かって頑張っている仲間たちとも同じ方向に進むことができていると思っています。学生陸上の良さはここにあり、それは他の何事にも変え難い貴重な時間だと思います。だからこそ、選手としてこの早稲田大学競走部に在籍することができて素直に嬉しいです。こんな私を受け入れてくれて、112代目の皆さんには感謝してもしきれません。本当にありがとう!このチームに少しでも貢献できるよう、私も全力を尽くしていきます。
明日はトレーナーブロック4年の岡本漠久にお願いしました。合宿中で忙しい中だろうけど、引き受けてくれてありがとう!
バクは私が今年最も頼りになった人ランキング堂々の1位タイです。私が今の状態まで戻ってくることができたのは間違いなく彼が話を聞いてくれたおかげですし、おそらく今後の競技復帰段階においてもたくさん相談させてもらうことになりそうです。そういった将来性も考慮すれば単独1位にしてもいいかもしれません。
バクはこちらが相談したことに対して、決して否定することはせず、最大限の可能性や選択肢を考えてくれます。また、その時点で分からない事項に関してもすぐに調べてきて、次に話す時には完璧に対策を練ってきます。業務に加え自分でもトレーニングを行う中でどこにそんな時間があるのだろうと不思議に思うこともありますが、そんな選手に対して真摯に向き合う部分がトレーナーとしての彼の根幹をなしているのだと思います。だからこそ私もたくさん相談することができます。本当にいつもありがとう。そんなスーパートレーナーであるバクの欠点なんて、補強メニューのネーミングセンスが絶妙に古臭いところとか、手持ち無沙汰の時に急にヒューマンビートボックスをし始めてこちらが話しかけづらくなるところとか、理詰めで話す時に顔から表情が消えて怖いところくらいしか…おや、意外とありますね(笑)。色んな意味で彼が後輩であることには本当に感謝したいところです。
そんなバクですが、最近ではTOEICを受験したり、資格を取得したりと、将来に向けて出来ることの範囲を着々と広げている最中です。詳しくは明日の彼の部員日記でも語られることでしょう。これから偉大なストレングス&コンディショニングコーチへと成長するであろう岡本漠久。そんな彼の序章に当たる部分を間近で見続けられることを幸運に思います。そして、この調子で彼が全競走部員をムキムキのマッチョに仕上げることを期待してこの文章を締めようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
例年に負けず暑い気候が続いております。
皆様におかれましても体調を崩されないよう、ご自愛ください。
それでは、失礼します。
部員日記








