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部員日記

小平敦之: だから僕は陸上を辞める

こんばんは。千葉から引き継ぎました、長距離ブロック4年の小平敦之です。

千葉とはほぼ話したこと無いにもかかわらず、今回お願いをして部員日記を回してもらいました。無理を言ったのに快く回してくれてありがとう。そして、日本選手権リレーお疲れ様。

そこまで距離感が近いわけではないですが、僕なりの彼女の印象はタフさと貪欲さを兼ね備えた競技者です。1年生の頃から関東インカレでフル稼働していたのを見て、どこにその強さがあるのだろうと思っていました。(確か400、400mH、マイルと3種目で入賞していた気がします)たまたま平日の午前中に競技場に行ったときに練習時間外ながら上久保さんと相談しながら動作確認している様子を見て、強さの一部分を見たような気がしました。本当に細かい変化などを突き詰めていくことで少しでも速くゴールできるようにする競技だからこそ、そういった形で競技のための時間を増やすことの重要性を改めて感じさせられた瞬間でした。

ちょうど短距離は代替わりをしたタイミングで、チームを背負っていく立場になると思います。関東インカレチャンピオンとしての重圧なども含めて、今まで以上に様々な感情を抱えながらレースを迎えることもあるのではないかなと思います。しかし、自分自身が今まで通りに競技と向き合って、のびのびと競技をする姿勢が一番チームにとってもいい影響を及ぼすと思うので、ぜひこれからも楽しく競技をしながらチームを引っ張っていってもらえればと思います。大変だと思うけど頑張れ!


前述のとおり、昨日、本日と日本選手権リレーが行われました。たくさんのご声援、ありがとうございました。これで112代目一般種目の部としての大会は最後となります。最後まで全力でやり切って引退していった同期たちの姿を見て、少し寂しさを感じますが、間違いなく刺激をもらいましたし、ここからいよいよ駅伝シーズンという事で、やってやるぞという気持ちでいます。


さて、今回の部員日記もなかなかに日が空きました。前回は青山学院の主務、悠冬について書いた内容でしたね、懐かしい、、。夏合宿の様子は、他の部員やSpo Liveなどを通してかなり例年と比べても良好な状態で過ごすことができていたのはお伝えできていると思いますので、今回は陸上競技を離れる決断をした僕自身の話をさせていただければと思います。


元々、大学入学時点で競技は大学いっぱいまでとは決めていましたが、この4年間今まで競技と向き合えたことで、なぜ陸上競技・駅伝に惹かれ、なぜ大学で競技から離れるのか、ということが明確になったと思います。ありがたいことに、今年の箱根後には競技継続という道ができました。駅伝に興味がある人は誰でも知っている会社さんに声をかけていただいたことで、引退という既定路線の中で凝り固まっていた将来のキャリアビジョンが一度破壊され、競技だけではなく、自分が何のために生きていて、何がしたいのかということを深く考えることができました。


では1つ目。これはみなさんでも推測のつく理由で、「箱根駅伝を目指してきたから」です。競技を始めたての小学生の頃からというわけではないですが、中学の頃から意識をし始めて、苦しいときも踏ん張ることができたのは箱根駅伝という目標があったからです。


「でも目標にしているからってそんなに長期間苦しくても頑張れるものなの?」


とよく言われます。(笑)

箱根駅伝は間違いなく日本でトップレベルにたくさんの人を巻き込んだスポーツイベントです。そんな舞台を走ることで、今まで支えてくださった周りの方々を元気にしたい、恩返しがしたいという気持ちは大前提ありました。それと同等に個人として一度設定した目標をブラさずに絶対達成したいという気持ち、僕自身の性格が突き動かしていました。運の良さに恵まれたこともあり、今まで自分が「これは絶対にやり切る」と決めたような競技の目標や受験、学部選択などは成功を収めることができました。だからこそ、目標達成に対してやるべきことをやっていれば必ず達成できると信じて苦しいときも向き合ってくることができましたし、逆に長い期間をかけて追う目標ほどより達成感を味わうことができるんだろうなと思ってやってきました。実際今年箱根駅伝を走らせていただいて、年単位で長い時間をかけて追い続ける価値があったとも思えるものでした。そして、もし次のステージに進んだ時、僕は何を目指して走り続けるのか、と考えました。日本選手権?ニューイヤー駅伝?オリンピック?観戦者として目にするそれらの舞台は、トップ選手の方々が1秒を争って熾烈を極める本当に素晴らしい大会だと思います。しかし、いざ自分がその舞台を目指して挑んでいく姿というものを明確にイメージすることができませんでした。プロや実業団という背負うものがある立場として走る以上、明確で強い覚悟を持てないまま進むことは、所属する会社さんや、その舞台を目指して本気でしのぎを削る選手の方々に対して誠実ではないと感じました。おそらく半年後からは、一ランナーとして、競技を始めたての頃のような「走ることそのものを純粋に楽しむ」という形で走りとお付き合いしていくのかなと思います。


2つ目は、1つ目と多少被る部分がありますが、自分の力に限界を感じたということです。早稲田大学という「圧倒的な個」として「早稲田から世界へ」を掲げるチームで競技ができたことで、いい意味で自分の限界を突き付けられた気がしました。特に同級生に工藤がいたということは僕にとってとても大きかったと思います。彼のおかげで自分自身の当たり前の基準も上がり、練習を積み重ねた結果、ここまで実力を引き上げることができたのも事実です。工藤以上に努力できているかと言われると、それは何とも言えませんが、追いかけても追いかけても遠のいていく背中を見て、こういう選手が世界に羽ばたいていくんだろうなと思いました。(もちろん世界を目指して限界まで練習を突き詰めていくことができるのも、1つの才能だと思っています)チームメイトとしては頼もしいですが、次のステージに上がったときにはこういう選手と対等に渡り合えないと、生き残っていけないということを考えたときに、そこまで自信がなかったというのも事実です。今の早稲田には工藤だけではなく、後輩たちにもたくさん世界を目指す選手がいます。プレッシャーをかけるわけではないですが、彼らはきっとやってくれるだろうなと思っているので、陸上界の日本代表は任せて自分は違う分野で、日本代表と胸を張って言えるような活躍ができればなと思っています。


3つ目は、僕自身が生きていて意味があるなと思える生き方をしたいと思うからです。これだけ少し抽象的な話になりますが、、。自分の中で大切にしている価値観7つを以下に列挙します。

①他者のために ②人生の意味を紡ぐ ③誠実さ ④後悔無き人生 ⑤成長 ⑥今この瞬間の楽しさ ⑦好奇心

思考のプロセスをたどると、自分自身が死ぬときに「自分が生きていて価値があったな」と後悔無く思いたい、というのが根本にあり、そうなったときに「他者のために生きれた」「楽しさを積み重ねてこれた」という要素が必要だと思いました。さらにその要素を満たすためには、出会いや出来事1つ1つを点ではなく、線として捉えられるような行動をしたり、他者のために尽くせるくらいの「成長」や信頼を獲得するための「誠実さ」、成長のための「好奇心」というものを大切にしたり、という流れです。

そのような考えの下、今の競技をやっている自分を捉えると、まさにこれらに当てはまっているなと思います。おこがましいですが、僕の走りを見て元気になった、刺激を受けたと言ってくださる方々が一定数いらっしゃいます。それは他者のためになっている証拠と思いますし、1つ目の理由で挙げたような達成感によって今この瞬間の楽しさも満たされています。しかし、それは僕自身の力単体というよりは、早稲田大学という伝統ある枠組みの中で、文武両道を掲げながら駅伝主将として走る、というストーリーを含めて評価していただいている側面が大きいと思っています。次のステージに進んだ時にこういった学生時代の枠組みは外れ、今まで以上に「競技パフォーマンス」という共通のものさしで測られるようになります。僕にはできないような大きな価値を提供できる人たちの凄さに触れてきたからこそ、僕は競技という枠組みを超えて違う形で人がなかなか目を向けられなかったり、着手できなかったりする部分を補うような形で、自分にしかできないこと、自分にしか生み出せない価値を見つけていきたいなと思いました。(もちろん働いてみないとわからない部分もあるし、僕1人が動いてたいしたインパクトを残せないのかもしれませんが)

あらゆる選択肢を検討した中で、商社という道に進むことにしたのも以上のような考えがあったからですし、行っている事業内容や、自分を磨くための環境、携われる範囲など総合的に考えて、ベストな選択だと思っています。さらに遠い未来、30,40年後に自分が何をしているのかは今はわかりません。でも、挑戦してみたいこと、興味があることはたくさんあります。そのまま同じ会社で働いているかもしれませんし、夏合宿でお会いしたアシックスの廣田会長を目指してまたスポーツ界に戻ってくるかもしれませんし、起業をしているかもしれませんし、はたまた県知事や市長にトライしているかもしれません。ここでも自分が生きている価値があるという働きをしたいと思っていますし、たくさんの出会い・縁を1つの形にすることで自分の人生の意味を紡ぎたいと思っています。いずれにしても様々な選択肢を消去法で決めるのではなく、自分がその時にやりたい方向に進むことができるように、あらゆる方面で成長していければなと思っています。


そんなこんなで僕の陸上とのお別れ、将来の話にお付き合いいただいたわけですが、最後には現在向き合うべきことに立ち返りたいと思います。

「陸上から離れる」というテーマであったため、「限界」「覚悟がない」といったネガティブな言葉が出てきたわけですが、今の僕が駅伝主将として「箱根駅伝総合優勝」を目指している道の途中に、そういった言葉は出てきません。僕自身としても昨年を上回る形で練習を消化し、全日本・箱根に向けて手ごたえを得ながら向かっていますし、チームとしてもかなり良い状態で駅伝シーズンを迎えることができました。例年のように実績でガンガン引っ張っていくような主将とは僕は異なりますが、逆に僕にしか提供できない価値を出せている自信はありますし、そういった取り組みが必ずチーム力の向上、1番の目標である「箱根駅伝総合優勝」にも繋がってくるはずだと自負しています。本当にやりがいのある立場を任せていただいているからこそ、最高の結果で報いることができればと思います。


まずは明日の出雲駅伝から。応援よろしくお願いいたします。


そして駅伝シーズンが始まるにあたり、早稲田大学競走部と一緒に戦ってくださる方々へ改めて。現地での応援や、メッセージ、お手紙、差し入れなどは本当に選手たちの力となっています。(僕宛のお手紙で差出住所があるものは箱根まですべて終わったら、返信させていただきますのでお待ちください。)競走部駅伝部門でもスポンサーであるNTTドコモビジネスさんとの取り組みでSpoLiveなど積極的な発信を行い、よりたくさんの方々に応援していただきたいと思っております。SNS含め、情報網の発達で良くも悪くも声が選手に届く時代となっております。ご支援いただいている以上、ご期待に応える必要があるのは選手たちも重々承知しておりますが、ぜひ暖かいご声援をお願いできればと思います。

¼の部員日記でも書きましたが、皆様の応援という大きな武器を携えて、戦国駅伝をともに勝ち抜ければと思っております。ご協力よろしくお願いいたします。



明日からは一般種目の4年生の引退リレーとなります。1人1人の4年間の熱い思いをぜひお楽しみいただければと思います。

トップバッターは主務の山﨑望にお願いしました。彼にはあと約3カ月、箱根駅伝まで僕たちと一緒に頑張ってもらいますが、、(笑)

望は本当に頼れる主務で、みんなが話しかけやすい懐の広さを持ちながら、締めるところは締められる、組織になくてはならないON・OFFの切り替えがとても上手な存在です。ちなみに先日のマネージャー対抗1000m競走では高校時代は野球部ながら2:40で走破するなど、走力のポテンシャルの高さも実は最近のぞかせてきています。年明けにはハーフマラソン出走予定という事で、そちらに向けても楽しみですね。

駅伝シーズンのサポートとしても貴重な戦力として頼りにしてます!明日はよろしく!


最後までお読みいただきありがとうございました。10月11日、この部員日記をお読みいただいた方、明日は出雲駅伝です。今年から午前開催となりますので、部員日記を読んで疲れたために、寝坊して応援できなかったという事がありませんよう、お早めにお休みください。寒暖差が激しい時期に差し掛かっておりますので、皆様体調にはお気を付けください。