最新ブログ

  1. HOME
  2. BLOG
  3. 稲毛碧:人に頼ることの大切さと感謝
部員日記

稲毛碧:人に頼ることの大切さと感謝

菖蒲から引き継ぎました。短距離ブロック4年の稲毛碧です。

 

菖蒲とは四年目の仲です。それぞれ短距離長距離と所属しているブロックは大きく違いますが、菖蒲とは非常に仲がいいです。ブロックの垣根を越えて接してくれる菖蒲にはいつも感謝しています。また、ご存じのとおり彼は学生個人で優勝や関東インカレでの3000m障害3連覇、日本選手権表彰台など前半シーズンにて輝かしい成績を残していてその一つ一つが僕に大きな刺激を与えてくれています。感動をありがとうと菖蒲の部員日記には書いてありましたが、僕は刺激をいつもくれてありがとうと伝えたいです。同じJAPANを身にまとい共に戦えたことは一生忘れることのない思い出です。

 

残り少ない期間だけど臙脂を背負う者同士、頑張ろう!そして駅伝シーズン頑張れ!

 

この度、ワールドユニバーシティーゲームズの200mに日本代表として出場させていただきました。正直、200mで出場できる可能性が出てきたときに「自分が200?去年走ってないしなんなら冬季練習もほとんどといっていいほど150m以上走ってないけど走り切れる?」と思っていました。それほどに200mについて素人状態になってしまっていました。元々は中学、高校と200mを専門としていてそれなりにではありますが実績もありました。しかし、以前とはそもそもの100mのスピードが全く違う状態の200m、中国で走るまでに乗り越えなければならない技術的、体力的な課題がありました。

 

1つ目、カーブが曲がれないのです。正確に言うと、曲がるのが尋常じゃないくらい下手になっていたのです。以前はそこまでスピードが出ないので「技術とか関係ない!直線と同じように走ればOK!」と稲毛少年は思っていました。若い。しかし体の傾け方、コーナーでどこを走るのか、最大スピードをどこに設定するのか、等々200mの技術の奥深さに1か月前の稲毛は練習中、数えきれないほど頭が???となりました。

 

2つ目、ペース配分がわからないのです。200mの専門的な練習を始めた約一か月前、私は最初から最後まで全力で行くのもだと思っていました。なぜこう思っていたかは、これも以前の経験で「200mは最初から最後まで全力!ペース配分とか一切なし!」が私のレーススタイルの基礎となっていました。それでも稲毛少年はある程度走れていました。その考えが今の自分の200mには見事に当てはならなかった時は絶望しました。この場で初公開なのですが、私は〇割で走るというテンポ走をするのがとてつもなく苦手です。200mに関しては「10割か、0か」というローランドもびっくりの考えを持っていました。

 

この2つの課題をクリアしなければ、まったくと言っていいほど200mで戦えない、中国に行くだけになってしまうと思いました。そこで私は、自分だけでは限界があると感じ、人に頼ることを決めました。実は僕は人に頼るというのが最も苦手なことです。今までの陸上人生、人の意見ももちろん取り入れていたのですが、かなりの割合で自分の感覚や考えを第一に考えることが多かったです。結局自分でしたほうがいい、自分で解決したほうがいいとばかり考えていました。しかし、今回は初めてといっていいほどこの課題は自分だけの力ではどうにもならないなと感じるほどに難解だったのでこれは自分のプライドや考えはいったん捨てて、人に頼ろうと決意しました。私はこの考えに至ったことが今回の大会を通じて大きく成長できたことだと考えます。そこからは多くの人にアドバイスを求めました。大前監督や前主将の三浦さん、同期であり同じ日本代表として共に戦う西、ほかにも多くの人が私が質問すると優しく、そして的確なアドバイスをくれました。そのアドバイスをもとに私の200mの技術やペース配分は何とか形になりつつありました。

 

ここまで長々と過程を説明してきましたが、結果としては決勝8位。目標としていた世界のファイナルには進むことができましたが、まったくと言っていいほど勝負はできませんでした。大げさでもなんでもなく、陸上人生の中で最も悔しかった瞬間でした。付け焼刃だったとしてももっと勝負したかった、表彰台に上りたかった。自分の実力不足を痛感させられるとともに、この悔しさを世界大会の決勝で感じることに幸せを感じていました。ということは自分はまだ学生というカテゴリー内ではあるが世界のファイナルでも満足しない、自分が満足する瞬間までまだ進むことができるんだと実感することができました。帰国して数日たちますが、早く練習がしたくてたまりません。この悔しさと幸せを絶対に忘れずに陸上人生の最後に「満足した!」と口に出して言えるように頑張ります。

 

明日は同じ200mの代表の西にお願いしました。西にはこの1か月間たくさんお世話になりました。西の技術力やコーチング力の高さには毎度驚かされます。100mをずっと専門としてきた身として、新たな技術や考え方、200mとは何かというものを叩き込んでくれたおかげで、人並みには200mの技術を身に着けることができました。本当に感謝しています。ベストが近づいたと思ったらまたかなり離されてしまったため、もっと技術やスピードをつけて勝てるように今後もご指導お願いします(笑)また、一週間以上同じ部屋で過ごしてくれてありがとう!彼は僕の美容に対する熱意に驚いたことでしょう、きっと。

 

最後に、僕が今回決勝に上がれたのは本当に多くの人が僕のためにアドバイスをくれたりサポートをしてくれたおかげです。僕一人の力では絶対に達成できませんでした。

大前監督をはじめとするコーチ陣の方々、前主将の三浦さん、共に走った西、家族、現地で応援してくれた選手団のみんなや日本で応援してくれた多くの人々。

 

すべての人々に感謝します、ありがとうございました!