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部員日記

岡本漠久:ドンッ!!

山﨑から引き継ぎました、アメリカと同日にアメリカで生まれた男・岡本漠久です。


山﨑は忘れもしません、私が初めて競走部の門を開いたときに初めて出会った人です。「あ、おはようございます!」 緊張しながら佇む私に声をかけてくれた山崎はめちゃくちゃ先輩に見えました。(昨日の日記で巧みに私にマッサージに誘導する様子を見ると、、見る影もないですが。)

山﨑とは練習後よくご飯に行く仲ですが、ご飯に行くたび、様々なことを語り合います。選手のこと、スタッフのこと、チームのこと。私はトレーナーとして、選手に公開する情報、公開しない情報、取捨選択を日々行っていますが、その状況に疲れてしまうことがあります。そんな時、彼の熱い生身の人間性が、私を素直にさせてくれます。スタッフ同士は、同じ選手を支える立場として、支えあう関係性であるべきだとは思いますが、圧倒的に支えられる方が多いですね。

おっといけない。マッサージぐらいしてやってもいいかな。と思ってしまいました。山崎、寮でできるセルフケアをおしえてやろう。

部員日記、受けさせていただきます!


山﨑からの紹介にあったよう、私事ですが、7月4日、二十歳の誕生日が明日に迫ってきました。私はアメリカの建国記念日に、アメリカで生まれたという過去を持ちます。

私の母親は私を生んだ時、病室から花火が上がっているのを見たそうです。まるで私が生まれたことを祝福しているかのようで、うれしかったと語っていました。その話を聞いて、なんだか誇らしくなったを覚えています。

ここまで私が元気に生きてこられたのも、両親のおかげです。お母さん、お父さん、いつも私を生んでくれてありがとう。(母上が嵐ファンですので、大野君リスペクトを。)


さて、今回の部員日記は、「ドンッ!!」という題でお話しさせていただきましょう。この効果音、人生で一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。どうぞ、お楽しみください。


「クリリンのことかぁぁぁ!」「海賊王に 俺はなるっ!」「ところで平凡な俺よ。下を向いている暇はあるのか?」

さて、この言葉たち、画面の前の少年漫画好き(主に週刊少年ジャンプ好き)のみなさんは脳内再生が容易ではないでしょうか?

そう、今回の題は少年漫画で考えるスポーツ科学です。


 数か月前のある日、大前さんとお話させていただいているとき、「ドラゴンボールは、理にかなっている。」と唐突に、真顔でおっしゃっていたのを聞いて、頭の上に?が浮かびました。脳内で一瞬、「・・・選手をサイヤ人にしろ、、ってコト!?」と思ってしまったのはここだけの話。

大前さんがおっしゃるには、「修行をして、飯をたくさん食べ、睡眠を十分とる。実践ではめいっぱい工夫し、楽しみ続ける。これを思いついた鳥山先生、すごいよなぁ。」と。

確かに、、、。そう考えたら理想の形ですね。なんでもアリのフィクションの世界で、戦いのみで強さが伸びていくのではなく、わざわざ鍛錬を積む描写、ご飯・睡眠をとる描写を入れる。これが何を示しているのか詳しく考えたことがありませんでした。私たちトレーナーが選手に指導しているリカバリー方法は、マッサージをしても、ストレッチをしても、睡眠をとらなかったり、ご飯を食べなければ根本的な回復は見込めず、一時的なものになってしまいます。それらのような、基本的な生活こそ大切だということを説いているとは考えもしませんでした。


では、他の少年漫画はどうでしょう?ぱっと思いついたのは食に関する作品、「トリコ」です。この漫画は、世界にあふれる食材たちから選りすぐりの食材を集め、自分だけのフルコースを作り上げんとする美食屋トリコと、その相棒の料理人小松が歩んだ冒険を記したものです。この世界の食材は手に入れるのに武力が必要であることが多く、いつも怪物と戦闘になっています。この漫画の面白いところは、「戦闘後、より質の高い食材を体に取り込んだとき、自身が強化される」ということです。

これは私たちの世界でも同様で、タンパク質(アミノ酸)や脂質がその一例といえるでしょう。アミノ酸や脂質には種類があり、私たちの体はそれぞれをバランスよく適量摂取することで健康的な生活を送ることができます。その反対に、偏った食事・質の悪い食事をとり続けていると、バランスが崩れ、身体能力は落ちていきます。(詳しく知りたい方は「アミノ酸スコア」と検索してみてください。)これはアスリートにとっては、日々の課題であり、睡眠と同様、第一に意識してほしいところです。


残り五話ということで今話題の「僕のヒーローアカデミア」。特殊な能力「個性」を持つ人々が多く存在する世界を舞台にした作品です。物語は、個性を持たない少年・緑谷出久が、最高のヒーロー・オールマイトと出会い、彼から個性を受け継ぎ、ヒーローを目指すところから始まります。彼はプロのヒーローとして活躍するため、雄英高校という最高峰のヒーロー育成校に進学するのですが、そこでクラスメイトと切磋琢磨しあい、「個性を伸ばす」ことでヒーローとして成長していきます。この雄英高校の個性の伸ばし方ですが、限界まで個性を発揮し、回復させ、限界値を底上げするというような方法でした。

この考え方は、私たちで言う、ウエイトトレーニングそのものです。残念ながら、私たちに特殊な能力「個性」はありません(私がもし「個性」があったらほしいのは旋風です。)が、私たちには筋肉があります。ウエイトトレーニングは私たちの筋力を限界まで発揮し、回復させることで筋力の限界値を底上げしているものなのです。そして、漫画の中でわざわざ「個性を伸ばす」という行為を行ったのと同様、筋力は競技を行っていることのみではうまく増加させることができないことも特徴です。なので、それ相応の訓練をして、生かし方を覚え、実践に応用しなければならないのです。

余談ですが、ヒロアカの名言の中に、「戦闘ってのは、いかに自分の得意を相手に押し付けるかだよ」というものがあります。試合・大会はまさしくその通りで、陸上競技でも対人競技でもいかに自分の得意を発揮するかなんですよね。


さて、いかがだったでしょうか。こう考えると少年漫画の節々には、スポーツ科学と共通するものが山ほどあります。少年漫画と言えど、学べることはたくさんあります。友情・努力・勝利、その裏に隠された敗北と後悔。勝負の世界を生き続ける狂人:アスリートにとっては、教科書となりうるかもしれませんね。最後に私の好きな、人生観についての言葉を紹介して締めさせていただきましょう。

「オレって人生の視聴者はオレだけだ。だったらオレが続きを見たくなるような物語じゃないと意味がねぇだろう。すごいピンチだけど、アイツ、どうやって切り抜けるんだろう? 強すぎんじゃねぇか、この敵! こっからどうやって勝つのかなぁ? ってな……。オレはオレに期待したいんだよ」【ルパン三世】



明日の部員日記は、主将、池田海さんにお願いいたしました。

(関東インカレでの海さん)

海さんは先日行われた、日本選手権の男子110mHに参加し、長い期間苦しめられていた不調から”復活”しました。

この期間、海さんとお話しする機会はトレーナーという立場上、とても多かったです。

ご教示いただけることは山のようにあり、会話をした日は必ず何か大きな収穫をいただいていました。(トレーナーとしても、人間としても)

日本選手権の結果をふと見るたび、不調の中、トレーナーとコミュニケーションをとりつつ、黙々と努力し続ける海さんを思い返すと、復活のうれしさと共に、お話しできる機会はあと何回あるのだろう。と少しだけ寂しい気持ちになってしまいます。こう思ってしまう私はトレーナー失格なのでしょう。

しかし、今回、私の20歳初のプレゼントとして、部員日記を受け取っていただきました!普段私が冗談を言うと軽くあしらわれてしまうので、今回は必死に、誠意をこめておねがいしました。

受けてくださりありがとうございます!明日はよろしくお願いします!


夏も本番となり、明日の最高気温は34度との予報もあります。クーラーをかけることをためらわないこと、こまめに水分補給をすること、体調不良を感じたら休み、体を冷やすことを皆さん忘れないように、夏を乗り切りましょう!それでは、長文をお読みいただきありがとうございました。失礼いたします。


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7/6(土)に『第100回早慶対抗陸上競技会』が行われます。


記念すべき100回大会を現役部員として迎えられることを嬉しく思います。


当日は早稲田大学の応援よろしくお願いします!