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部員日記

金本昌樹:やり切る

こんにちは。

ハードルブロックM1の木村さんから引き継ぎました、ハードルブロック4年の金本昌樹と申します。

サムネイルは、最近無人島に行った時の写真です。自然豊かで元気を貰えました!


木村さんには本当にお世話になっています。朝練がキツくて弱音を吐いてる私を奮い立たせてくださったり、悩んでいる時は相談事に親身に乗ってくださったりと、頭が上がりません。また、木村さんの和やかな話し方を聞くと落ち着いた気分になります。いつもありがとうございます。


前回の部員日記は6/17でした。日本選手権前です。陸上関係者はご存知の通り、私はパリオリンピック日本代表になることはできませんでした。人生を賭けてオリンピックを目指し、その過程で感じてきたことを振り返ってみようと思います。当時の日記ベースなので読みにくい・長いと思いますが、お許しください。


昨年の全日本インカレ準決勝、パリ五輪参加標準記録まであと0.34秒となる49秒04をマークし、この時五輪という存在が憧れから現実的な目標に変わりました。以降、世界で戦うことだけを考えて生活し、必死で冬季練習をしてきました。間違いなくこれまでの人生で一番熱中し、楽しみながら自分を追い込んだ数ヶ月間でした。坂練習や300×10で血を吐くまで追い込んでいたのも、今では良い思い出です。順調にトレーニングを継続でき、シーズンに入ったら49秒04より明らかに速く走れると感じていました。しかし、冬季途中から病気なり怪我なりとまあ色々とあって(割愛します)、日常生活を普通に送ることが難しくなっていきました。それでも練習はしないと五輪で戦えない、休むわけにはいかないと思い、気持ちで押し切って無理やり練習を継続していました(今思うとこれが良くなかった) 。それから少し経って、多くの方々の支えもあって少し症状が改善し希望が見え始めたくらいの時期、ハムストリングスⅡ度の肉離れをしました。肉離れに対してはすぐに気持ちを切り替えて前向きになれましたが、その後も色々あって(割愛します)、陸上競技自体出来ない状態になってしまい、療養のため無期限で休部をさせていただくことになりました。「手の届きそうだった五輪が遠のいていく感覚」、「死ぬ気で積み上げてきたものがもう取り戻せないところまで一瞬で崩れていく感覚」は今も覚えています。これが絶望か、と思いました。それでも、多くの方々のおかげでシーズン途中には陸上競技に復帰することができ、五輪を目指して最後までやり切ることができました。


五輪を目指す過程で数多くのことを学んできましたが、その中で今パッと頭に浮かんだことを何個か羅列していきます。

①支えてくださる人の存在は本当に大きい。「誰が何をしてくれたから今の自分があるのか。どう応えるのか」という視点は生涯持ち続けたい。

②「頑張る」ではない。常に次を見て、やるべきことを淡々と膨大な量やる

③大きなことを成し遂げようとする過程はかなり辛いと承知の上でも、想像以上の辛さが飛んでくる。 

④結局は自分の人生であり、他人を気にし過ぎない。←これが大事!自分の芯を強く持つことが大事。殊更、人生を誰かに歪まされてはいけない。恐らくずっと許せないままになると思う。

⑤健康第一


何度も挫折してきましたが、苦しい状況下でも諦めずに五輪を目指してやり切った経験は、今後の人生の糧になると自信を持って言えます。ここまでの過程、自分一人では耐え切ることが出来ませんでした。支えてくれた人たちがいたから今の自分がありますし、今もこうして陸上競技ができています。日本選手権のレース前、家族・礒先生・金井さん・天智龍さん・同期など、これまでお世話になってきた人たちの顔が、言葉が、次々と頭に浮かんできました。本当に感謝しています。五輪に行くことは出来ませんでしたが、日本選手権のレース後、「全てを賭けて五輪を目指す姿を実際に見てきて、心動かされた」、「ここまでを知ってたから、走る姿を見て涙が出た」などと言ってくださる方々がいて、その時、自分は幸せなのだと感じました。


次戦は全日本インカレです。この試合が人生最後の400mHになるかもしれません。お世話になってきた方々への感謝を、結果という形でも示します。そして自分のためにも、「やり切った。楽しかった」と思いたいです。


明日の部員日記は、ハードルブロック2年の内藤香乃に託しました。内藤は今勢いがある選手です。昨シーズンはうまくいかず、毎回の試合が怖い。走りたくない。と苦しんでいましたが、その過去を乗り越えたからこそ今の内藤の飛躍があると思っています。昨シーズンと冬季はかなり辛そうだったので、関カレで表彰台に登る姿を見た時は本当に嬉しかったです。うるっときました。全カレはお互い決勝で戦おう!

写真は今年の3月末です。私が車椅子生活の時、内藤が後ろを押してくれました。なんて優しい後輩!涙

拙い文章ですが、お読みいただきありがとうございました。それでは失礼いたします。