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金本昌樹:いい陸上人生だった
こんにちは。
短距離ブロック4年の平野から託されました、ハードルブロック4年の金本昌樹と申します。
平野とは、大1から大4まで近くにいました。彼には言ったことありませんが、僕にとってオアシスのような存在です。しんどくなったり頑張る気力が無くなっても、平野に話すと何故か少し回復するんです。不思議ですよね。そんな彼ですが、誰かに悩みを相談する姿を見たことがありません。今〇〇のことで悩んでるんじゃないかなと思っても、彼は悩んでいる素振りを見せませんでした。平野からの紹介文に、「同期として、友人としてもっとできることがあったと後悔しています。」とありましたが、逆に、私も彼に対してもっとできることがあったんじゃないかと思っています。一緒に陸上をやることはもうありませんが、今後の人生でも絶対関わり続けたい人です。今度バンジージャンプに行く約束をしました。
私は、先日の佐賀国体をもって10年間続けた陸上競技を引退しました。
私は高校3年の時、早稲田の選手がインカレや日本選手権で活躍する姿に強い憧れを抱き、早稲田大学の受験を決めました。当時の私の学力的に現実的ではありませんでしたが、一個上の先輩である川村優佳さんのお話しを聞くうちに早稲田で陸上をやりたいという思いが募り、死ぬ気で受験勉強をしました。今でもあの時のワクワク感は覚えています。川村さんの存在が無かったら早稲田を受けずに他大学に行っていたと思います。こんな素敵な大学4年間の景色を見せてくださった川村さん、ありがとうございます。
大学陸上を振り返ると、1年次と4年次が特に貴重な経験ができたと感じます。
⚪︎大学1年
高校時代インターハイに出られず自己記録54秒97だったため、当初は入部拒否、その後入部を認めていただけたものの一年以内に関東インカレB標準を切れなかった場合即退部という条件でした。なので部に生き残るためにとにかく必死でした。大1の時は400mHの試合で60秒や59秒かかるなど、競走部における競技力の底辺を味わいました。とにかく劣等感が強く居心地悪かったことを覚えています。競走部に全く貢献できておらず、部に生かしてもらえているだけという感覚が辛かったです。しかし、この期間から「危機感」を持ち続けて競技に向き合えたこと、自分を0から作り直そうと考えたこと、多くの先輩方が親身になって関わってくださったことが後の成長に繋がりました。そしてシーズン最後の方の試合で1回だけ関東インカレB標準を突破することができ、ギリギリ部に残ることができました。入部時どうしようもない選手でしたが、それでも見捨てずに手厚くご指導くださった礒先生をはじめとするコーチングスタッフの方々、当時の先輩方には本当に感謝しております。この1年間で、泥臭さと這い上がる力が特に培われたと感じます。
⚪︎大学4年
10年間の競技人生で最も辛く、苦しんだ1年間でした。ですが、最も濃い経験をした1年間だったと思います。多くは書きません。自分が競走部にいる意味、自分が陸上競技をやる意味、自分が生きている意味。色々なことを考え続け、引退直前の全カレ・国体を通じて、やっと自分にとっての答えに出逢うことができました。
多くの方々が支えてくださったおかげで、4年生引退の日までなんとか陸上競技を続けることができました。この4年間はあまりにも辛過ぎてもう戻りたくないですが、この道を選んで正解だったことは確かです。厳しい成果主義の組織に属し結果を追求しながらも、結果より大事な数々のことを学ぶことができました。早稲田大学競走部だったからこそ出来た経験や感じたこと、人との出逢いが私の人生を豊かにしてくれました。そしてこの10年間諦めずに挑戦し続け底辺から這い上がった経験や、最後までやり切った経験が、今後の人生で背中を押してくれるのではないでしょうか。
憧れの早稲田大学競走部で臙脂のユニフォームを着て戦えたこと、110年続く競走部の歴史を紡ぐ一員になれたこと、誇りに思います。
正直、オリンピックや日本一を果たせなかった後悔は今も残っています。もしかしたらこれから先も消えないのかもしれません。本当は世界で戦う選手になりたい。それでも、「ここが引き際だ」と直感で強く感じられた瞬間がありました。競技人生最大の目標を果たせなかった悔しさを糧に、来年から新たなステージで頑張り抜こうと思います!
明日の部員日記は短距離ブロック4年の千田杜真寿に託しました。同年代で彼ほど自分の芯を強く持つ人間に出会ったことがありません。羨ましいと思うとともに、彼のこれまでの人生経験や努力の賜物なのだと思い尊敬します。以前の彼の部員日記に記されていたように、彼は大3でオーバートレーニング症候群になりました。当時悩み苦しんでいた彼に対し、私が何か出来たことは無かったかもしれませんが、後に乗り越え大復活を果たす姿、試合を楽しそうに走る姿を見て嬉しさと勇気を貰いました。ありがとう。
今季の4×100mR三冠(関東インカレ、日本インカレ、日本選手権)の立役者は間違いなく彼だ。私は強く思います。
トマスと陸上やれて良かったよ!練習の時たまに呼んでねタイム計測しに行きます^ ^
これが最後の部員日記になります。
大学4年間という非常に短く、貴重な時間の全てを陸上競技に捧げることができて本当に良かったです。何より、陸上競技を通じて多くの方々と関われたことが一番の幸せです。
今まで私の競技人生に関わってくださった全ての方々に、この場を借りて感謝申し上げます。
ありがとうございました。