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伊藤大志:写真機は要らないわ。五感を持っておいで。
こんばんは。玄應から引き継ぎました。長距離ブロック4年の伊藤大志です。
僕が1年生の頃、当時は3人で回していたトレーナーブロックも気づけば9人の大所帯に成長していました。そんな中でも玄應は人一倍選手とのコミュニケーションが多いのではないかと思います。競走部とは言えども、一般種目と長距離では、シーズンや生活リズムが異なるため、そのどちらにもまたがって仕事をするスタッフの立ち位置も難しいものになるはずです。それでも玄應らしく両方の選手とコミュニケーションを取りながら器用に仕事をこなしていく姿を見ると、素直に関心しています。昨日の日記では、111代目のスローガンである「One早稲田」に込める玄應の気持ちが綴られていましたが、僕から見た111代目は魅力的な才能を秘めたワクワクするチームです。トレーナーブロック長として、トレーナーの後輩たちを引っ張っていくのももちろんですが、持ち前の明るさとフットワークの軽さで競走部というチームを支えていってほしいと思います。飲みもいつでも待ってます!!
さて久しぶりの部員日記ですが、おそらく1ヶ月後に、文字通り最後の部員を書くことが予想されます。そこで4年間の競技の振り返りと駅伝の意気込みを、これでもか!というくらいに書く予定なので、今日は全日本インカレについて軽く振り返りたいと思います。
長距離選手にとって、全カレは正直なところあまり重要度の高い試合ではないのは事実です。しかし、全カレに出場するにあたって、僕個人では2つの考えがありました。
1つ目は、110代のメンバーともう一度トラックを戦いたい、と単純に思いました。今年の六大学対校で初めて集団応援に参加して、改めてチームでトラックを戦うことの楽しさと美しさを知りました。110代全員が揃って戦う試合は全カレが最後になる、そんな機会に自分も立ち会いたいと単純に思いました。
2つ目はとても打算的です。全カレ後に控える駅伝シーズンを、長距離だけでなく、競走部全員で戦うための布石にするためです。日本の学生陸上における長距離は極めて特殊な期分けになっています。上半期はトラックを主戦場に過ごし、秋からは駅伝を走り、冬にはロードレースやクロカンに出場する。ほぼ1年稼働するわけですが、対して一般種目のシーズンは春から夏、遅くとも初秋までといったところです(本来これが普通です。長距離が過密すぎるだけです)。つまり、長距離が本格的に駅伝シーズンに入るころには、一般種目は既にオフシーズンに突入しているのです。シーズンが異なれば、当然生活リズムも異なります。鍛錬期の厳しいトレーニングをこなす一般種目の選手たちは、休日には息抜きで外出もするでしょう。大学生なのでお酒も飲むかもしれません。オフシーズンなので当たり前です。僕だって同じ立場ならそうするでしょう。しかし、同じ寮で生活する長距離の選手は、最後の大仕事とも言える試合に向かいます。僕達は試合に向かう中で、同じ空間で生活し、同じグラウンドで生活する一般種目の選手には少なからず協力をお願いすることになります。人間には建前や正論というものが存在しますが、人を動かす一番の材料は「それぞれが抱くイメージ」だと僕は思っています。オフシーズンである一般種目の選手たちが少しでも快く協力してもらえるように。駅伝シーズンに協力をしてもらうなら、自分たちも協力しなければ筋が通らない。そのために僕は全カレに出場しましたし、僕が出ることによって、長距離の選手たちも、全カレを例年以上に応援してくれるだろうと考えていました。
結果として、なんとか表彰台と日本人トップを獲得することができ、正直ホッとしています。チームとしても、トラック優勝を確保することができ、長距離として仕事を果たすができたかなと振り返っています。しかし、優勝した創価大のスティーブン選手は、全カレ後に控える駅伝シーズンで必ずライバルとなる選手の一人です。そんな選手に力負けしてしまったことの悔しさや危機感がレース後には残りました。
全カレに出場したことが正解だったのか、出場しないほうが良かったのかはわかりません。ただ事実として、3週間後に迎えた出雲駅伝は、自分のブレーキによって、チームの順位と後輩の足を引っ張ってしまった、ということは変わりません。しかし、それも含めての「陸上競技」だと思っています。1月3日の大手町で、この1年間なんだかんだ良かったな、思えるように、今日含めて残り37日を過ごしていこうと思います。
明日の日記は同期の中田にお願いしました。
↑同期で写真を撮るタイミングになると毎回中田がいなくて可哀想なので合成してあげました(菅野が)
トレーナーブロックの中田ですが、僕は長距離ブロックの中田だとも思っています。彼が今年のチームの大事な1ピースであることは間違いないでしょう。選手時代の経験を活かしたきめ細やかな声がけ、時に空回りするギャグセンスなど、今ではこのチームになくてはならないものになっています。同期はおろか、後輩からもいじられる彼ですが、中田だからこそ、後輩たちは「中田さーん笑」と気軽に頼ることができるのだろうと思います。大事なチームメイトであり、大事な同期の一人です。もしかしたら彼の部員日記は最後かもしれないと思い、今回お願いしました。乞うご期待!
おそらく、(何事も無ければ)年末にもう一度部員日記をお読みいただけると思います。最後の部員日記でまたお会いしましょう!
※サムネの写真はライターの和田悟志さん撮影