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髙木沙也:時分の花

こんばんは。
増子より引き継ぎました、
マネージャーブロック3年の髙木沙也と申します。
4月上旬、情報科教育法の初回の授業で、聞き覚えのある声を耳にした際には私も驚きました。「情報」というマイナー教科で教職を履修している知り合いがいたとは、それが同期の増子とは、思いもよらず嬉しかったです。部員日記において「駆け込み寺」を名乗る彼は、困っている人の頼みにいつも真摯に応じてくれます。かく言う私も、彼の人の良さを拝みながら度々お願い事をしてしまいます。そんな時も嫌な顔ひとつせず快く引き受けてくれる増子にはいつも本当に救われています。まだまだ感謝し足りないけど、この前お礼に渡した私のお気に入りの焼菓子を味わってくれていたらいいなと思います。そして、今年こそはスターターだけでなく、走りでも勇姿を見せてほしいです!気負わずがんばろうね。
早いもので関東インカレ終了から2週間が経過し、2週間後には日本インカレが開幕します。
関東インカレでは、喜び、安堵、驚き、悔しさ、様々な感情に出会いました。カメラを片手に見ている私も思わず感情が込み上げてくるようなシーンがあり、4日間を通して本当に楽しませていただきました。
この気持ちを味わわせてくれた選手の皆さん、早朝から夜まで一緒に活動してくれたマネージャー・トレーナーの皆さん、監督コーチ陣、この大会を支え応援してくださったすべての方々に改めて感謝したいと思います。
この4日間は、学生スポーツを改めて体感した期間でもありました。学生スポーツはプロとは異なり、「4年間」という限られた時間の中で戦っていくものです。そして競技レベルから目標、特に陸上競技においては専門種目まで異なる選手同士が高みを目指して共に練習し、チームを背負って戦います。加えて、競技を通して人間的に成長していくということも醍醐味の一つです。
私はここから、恩田陸さんの小説『spring』にある「時分の花」という言葉を想起しました。
『まだ未熟で未完成なアーティストであっても、その若さでしか、その時にしか表現できない、刹那の輝き。散ることのない「まことの花」とは異なる、一過性の、散ってしまう花』
これは元々は能楽由来で、世阿弥の『風姿花伝』に登場する言葉なのだそうです。
未完成、成長の途上であることはしばしばマイナスに捉えられるかもしれませんが、「そうとも限らないよ」と教えてくれる言葉です(能ではシーンによって少し違う意味にもなり得ます)。納得のいかないレースからしか学べないこと、怪我をしているときにしか取り組めない練習、そして今この111代目の競走部でしか得られない環境や仲間。このような要素の全てを以て、先送りも後戻りもできない「今」が形作られています。
これは競技以外にも言えることですが、良い時もそうでない時もその「時分」を大切にして日々を過ごしていけたら、花が時期を終えても、次の季節へ前向きに進んでいけるのではないかと思います。
今回の関東インカレや日本インカレのメンバー選考において悔しい思いをした選手も、それを悲観するばかりではなく、今の自分にしかない輝きを見つけて競技を楽しむ心を忘れないでいてくれたらと願っています。
日本インカレの後にも早慶戦、地方選手権、そして東京世界陸上等の大会は続いていきますが、これまで側でたくさんお世話になってきた4年生と過ごせるのもあと少し。4年生の方々が最後までその人らしく咲けるよう、今後新たな季節に向かう蕾となれるよう、私にできる全てを尽くしていきたいと思います。そして今この瞬間の咲き誇った姿、その刹那の輝きを忘れることがないよう、鮮やかなまま脳裏に焼き付けておきたいものです。
明日は長距離ブロック2年の中島橙子にお願いしました。
橙子とは今年に入ってから話す機会が増え、最近では練習で会う度にニコニコして私に近寄ってきてくれます。
二人とも名探偵コナンが好きということで、関東インカレ前には一緒に映画を観に行きました。コナンのことを語りだすといつも以上に饒舌な彼女ですが、レースとなると顔つきが変わり、淡々と前を追ってペースを上げていきます。そして先日の関東インカレでは10000mWにおいて2位という活躍を見せ、早稲田MVPに選ばれました。私たちの間ではそのお祝いにと、今度は4DXのコナンを観に行く計画が進んでいます。短いスパンで同じ映画を観ることはあまりない私ですが、底なしのコナン愛を持つ彼女となら、何度観ても楽しめそうな気がしています。
2週間後の全カレもいつもの橙子なら大丈夫!明日はよろしくね!
最後までお読みいただきありがとうございました。
季節の変わり目ですので、体調を崩されないようご自愛ください。それではおやすみなさい。