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大川寿美香:最後まで。

こんばんは。竹から引き継ぎました、ハードルブロック4年の大川寿美香です。
ここ最近で一番うれしかった出来事は何ですか?
今就活でそう聞かれたら、「同期の竹が、4年ぶりに自己ベストを出したことです」と答えると思います。これまで怪我に悩まされながらも、記録が出ないもどかしさと黙々と向き合い続けてきた竹の姿を近くで見てきました。そしてついに、その先に現れた☆自己新記録☆の文字。通知が来た瞬間、気づけば手が勝手に動いていて、気づけば電話をかけていて、気づけば泣きそうでした。たぶんあの日、私の感情のグラフは、竹本人より急上昇していたと思います。また蕎麦も行きましょう。学生セットを食べきれず、半分以上を私にまわしてきたあなた。今度こそちゃんと完食してください。私はもう自分の分だけでいっぱいいっぱいです。
前回この日記を書かせていただいたのは、関東インカレ前です。それから数ヶ月。全日本インカレ、日本選手権とシーズンの大舞台が続く中で、調子は思うように上がらず、納得のいく結果を出せないまま、ただ時間だけが過ぎていきました。練習を重ねても身体が応えてくれない。感覚と現実のわずかなズレに戸惑いながら、それでも前に進むために必死にもがき続けていました。不思議なことに、その苦しさの中で自分の視界は少しずつ変わってきました。「主将として何ができるか」ではなく、「私はこのチームに、何を遺したいのか」と、問い直すようになりました。
結果を出すこと。背中で引っ張ること。模範になること。もちろん主将としてそう在りたいと願ってきましたし、今もその想いは変わりません。しかし、調子が上がらない自分を抱えながらも競走部の一員として何が出来るのか考えた時、私の中に芽生えていたのは記録では測れない価値を信じる気持ちでした。そうしたひとつひとつが、気づけばチームの温度をつくり、次の誰かに届いていきます。私にとっても、そして今のチームにとっても、限りある時間です。競技も、組織も、人も、最後の最後まで私は全力で向き合い続けます。
明日は、短距離ブロック4年の山越理子にお願いしました。一言で表すと、「背中で示す人」。どんなときも自分の軸をぶらさず、黙々と挑戦を積み重ねていくその姿は、言葉以上に多くのことを教えてくれます。理子は中学の頃からとにかく強くて、当時の私は思わず山越さんと呼んでしまっていました。それくらい、同じフィールドにいながらもずっと先を走っているような存在でした。
けれど一緒に過ごすうちに、ただ強いだけじゃないことに気がつきました。愚直なまでに努力を続けるところ、練習中は淡々としていても、後輩の変化にすぐ気づく優しさ。勝つことの意味を、結果だけでなくプロセスで体現してくれる人です。中学の頃からずっと「山越さん」だった彼女に、今こうして部員日記を回すことが出来て嬉しいです。あと少し、頑張ろう!
拙い文章でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。間もなく締めくくりを迎える短距離4年による部員日記リレーが進む一方で、111代目の競走部の歩みは、まだまだ続いていきます。
まずは来月行われる早慶戦、そしてこれから迎える駅伝シーズン。山口駅伝主将率いるチームがその幕を下ろすそのときまで、変わらぬご声援を賜れますと幸いです。
それでは、失礼いたします。