最新ブログ

  1. HOME
  2. BLOG
  3. 井上直紀:逃げ場所のない覚悟が夢に変わった
部員日記

井上直紀:逃げ場所のない覚悟が夢に変わった

 

こんばんは。大川から引き継ぎました主将の井上です。


 

中学で日本一となり、高校では途中でいろいろありながらも最後のインターハイでは2位。

経歴だけ見れば陸上エリート。

もてはやされるのが好きな方ではないが、正直ちやほやされながら競技をやってきた。

 

でも、そこは違った。

 

10秒45の自己ベスト、入学時は10秒7くらいでしか走れなかった私のことなど誰も気にとめなかった。バックグラウンドや学年関係なく、足の速い選手が輝くグラウンドでは私の居場所など存在しなかった。

そして何より。必死でインターハイを目指し、高校生で2位。そんな高校時代の集大成はこの組織ではちっぽけだった。スケールの違いを見せつけられた日だった。

いてもいなくてもわからないような存在。初めて感じたあの感覚がすごく悔しかった。

そして決意した。

4年後、競走部の真ん中には俺が立つと。

 

 


 

それからの日々は今思い返すと長かった。

思いどおりもそれ以上もそれ以下も。たまにやってくる特大のやつも。

でも、たくさんの人が支えてくれた。応援してくれた。

 

 

 

コーチ陣やOB、OGの方々。特に大前さん、岳さんには大変お世話になった。私たちの代は大前さん1期生だ。競走部の変化する雰囲気の中で、大前さんの下伸び伸びと競技をさせていただいた。お二人の下でたくさん学ばせていただいた恩返しを結果で返せるよう、残りの期間競技に取り組みたいと思う。

今後もよろしくお願いします。

 


 

そして大川。女子主将として最後の1年は特に苦楽を共にした。この一年間、彼女の特徴でもある明るい雰囲気もさすがに影を潜めるような辛そうな時期も何度か見受けられた。しかし、私からあえて大丈夫?と気遣いの言葉を投げかけなかった。それは、折れずに突き進む彼女の強さを近くで感じ、頑張る彼女に気遣いの言葉は失礼だと感じていたから。私自身、部を空けることも多く、それ以外の場面でも大川には様々なことをお願いした。たくさん頼った。時には悔しくて電話した私の話し相手をしてくれたこともあった。

競走部一丸となり、まさにOne早稲田でチームを作れたと思う。

あとは競技者大川寿美香の集大成を楽しみにしてる。

本当にありがとう。一緒にできて良かった。

 


 

最後は両親。

進路希望調査がくると毎度国立にしてくれと言われていたが、私は勉強もしないくせに早稲田じゃなかったら浪人すると言い放ち、進路希望調査に第二、第三志望は空欄で第一志望「早稲田大学 スポーツ科学部」とだけ書いて出していた激ヤバな息子だった。

インターハイが終わり数日後、当時監督だった礒先生から勧誘の連絡をいただいた。正直、国立の大学にも行けないことはなかった。しかし、「お前が勝ち取った権利だから」とあれだけ国立推しだった両親が一つ返事で早稲田進学を許してくれた。いろいろ大変だったと思う。それでも私の背中を押してくれた両親に早稲田に行かせてよかった。ほかの大学ではなく早稲田じゃないとだめだった。そう思わせることが私の責務であり、4年間を過ごした今胸を張って言える。

 

早稲田だったから今の自分がある。

 

両親もそう思ってくれているだろうか。

条件は出世払いだったので出世できるように頑張りたいと思います。

 

 

 

 


 

4年間いろいろなことがあった。

振り返ってみると嬉しかった場面がたくさん思い出される。しかし、実際は辛いことばかりだった。それでも辛いことから目を背けず、自分と向き合い続けた。

 

あの時誓った決意は実現しただろうか。

 

今年の冬季が始まる前に宣言した「早稲田至上最速のスプリンターとなり、東京世界陸上の100mと4×100リレーに出場する」という目標。

 

これを叶わずして競走部の真ん中と言えるのか。

 

まだあと少し競走部員としての期間が残っている。

唯一無二な存在として競走部を去りたい。まだ何物でもない私の最後を見届けてください。

 

 

 




 

明日は112代目主将となる関口にお願いします。

競技成績以外はかわいい後輩で根っからのいいやつです。きっと今後も一緒に走り続けるんだと思います。主将になるということで、気負わず自分らしくやってほしい。なんて無責任な言葉を私はかけない。言葉には責任が生じ、自分の言動一つで100人以上いる組織をどうにでもできる。お前の行動が競走部の正解となる。人の上に立つということはそういうことだと思う。それなりの重圧もある。時には不安や孤独に苛まれるかもしれない。そしたら周りを見ろ。お前は一人じゃない。支えてくれる幹部、同期がいる。そして同じ思いをしてきた111人の先輩がいる。

競走部の主将は誰にでもできるものではない。その中で信頼できる同期が関口を選んだんだ。お前は最高の主将になれる。楽しみにしてるぞ。

 

 


  

 



最後までお読みいただきありがとうございました。

本日の早慶戦をもって111代目競走部短距離ブロックの4年生は引退します。私自身、主将という大変名誉な職に就かせていただき、至らぬ点も多々ありましたが無事に一年間の任期を終えることができました。大変お世話になりました。

競走部にいると多くの方の支援や応援で組織が成り立っていること痛感します。山口駅伝主将率いる長距離の駅伝シーズン、そして来年度の112代目、そしてその先も続くであろう臙脂の活躍を今後も見届けて頂けましたら幸いです。

それでは失礼いたします。