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岡本漠久:てれてってってってってー

(サムネイルがあまりにもないので菅平合宿の時の写真を)
こんばんは。増子から引き継ぎました。トレーナーブロック3年、岡本漠久です。
増子の初対面の印象は間違いなく、同郷の友人です。出会って初めて、まずお互いの共通の知り合いを探しました。そこから話が弾み、何も理由はないけど砕けて話せる友人になりました。そこから約2年と半年。気づけば最高学年間近です。彼は今は静かに、ただ黙々と補強に取り組んでいます。優しい力強さと、目標への距離を正確に捉えている彼は、虎視眈々と前進し続けています。トレーナーは断言しない生き物ですが、あえて。
彼の目標は、きっと叶います。
私はそう勝手に思っています。同郷のよしみだ、いくらでも支えるからいくらでも頼っておくれ。部員日記、受け取りました!
さて、今回の部員日記のタイトルは「てれてってってってってー」です。いつもの少年漫画のあれか、と思った方もいるでしょう。今回は、一味違います。私は、漫画は大好きですが、ゲームも大好きなんです。
どうぞ、お楽しみください。
「桜井パパぁあああああ」
2025年8月19日、叫んだ方、読んでいる中に誰かしらはいるでしょう。そんなあなた。奇遇ですね。僕も、その一人です。
(*このネタはわからない方には本当にわからないと思うので少しだけ解説させてください。【大乱闘スマッシュブラザーズ】や【星のカービィ】の生みの親、桜井政博さんが、8月19日に、任天堂の公式Youtubeチャンネルで新作【カービィのエアライダー】という新作の紹介配信をしました。平たく言うと、それが異常におもしろそうだったため、その生みの親の桜井さんをあがめる念を込め、「桜井パパ」と叫ぶ人が全国各地に出現した。というネタです。)
そう、今回の部員日記は、ゲームとトレーニング(スポーツ科学)を結びつける冒険の書「てれてってってってってー」です。
トレーナーとしての知見を得るために、さまざまなお仕事のことについて一時期探っていた時期がありました。(マイブームは去りましたが未だに続けてはいます)
小説家に、宇宙飛行士。棋士に、教師に、キャリアコンサルタント。様々なお仕事本やお仕事漫画、Youtubeを見あさっていた時、ふと、見覚えのある名前が入ったチャンネルと出会いました。
それが、【桜井政博のゲームを作るには】
先ほど紹介した桜井政博さんが、「この世の中により良いゲームが生み出されるためならば」と自費で立ち上げ、ゲーム作りのノウハウ、ゲームの本質的な面白さを桜井さんなりの言葉でうまくまとめているチャンネルです。何気ない気持ちで、ゲームクリエイターって何を考えて、あんなに面白いものを作っているんだろう。と動画を見始めました。桜井氏が9000万円をかけて作った動画の数々から、ゲームを楽しいと思う構造や、細かいこだわりなどをそこから収集しているうち、私は一つ、アイデアを思いつきました。それは、スポーツやトレーニングと、ゲーム性を結び付け、より楽しく、もっとやりたい!と、前向きに思えるような構造づくりができるのではないか。ということ。
もちろん、科学に忠実に基づき、追い込むような苦しいトレーニングをしなければならないときは確実にあります。ただし、全部が全部それではやってられません。ずっと急な傾斜を上り続ける登山では体力が持ちませんし、ずっと楽しくハイキングして頂上に行ける登山はスリルと達成感がありません。アスリートのキャリアを長い目で見た時、バランスがとれていて、楽しさとキツさ、達成感が絶妙なバランスをとれているものなのです。
そこで、この桜井さんの動画を参考にして、ゲーム性、ゲームの構造をトレーニングに生かせる思考の転換点はどこなんだろうか、とみなさんが慣れ親しんだゲームと結び付けて、この部員日記で探っていこうと思います。
まず前提として、ゲーム性とは何か。これは桜井さんの動画カテゴリ【B:ゲーム性】で紹介されたものです。
桜井さんはゲーム性を「リスクとリターン」であると定義しています。リスクを高く、リターンはもっと高く。リスクが低ければ、リターンもそこそこ。
みんな大好き【スーパーマリオブラザーズ】で考えましょう。マリオがクリボーから離れている状態。これは、やられるリスクは0、倒すリターンも0。そこからクリボーに接近し、クリボーを踏むためにジャンプをしました。これは、ジャンプしたため操作が不安定になり、リスクが激増。倒して障害を取り除ける確率も高まるというリターンも激増。といった感じです。
これは、トレーニング面では皆さんはわかりやすいですよね。トレーニングの当たり前な考え方です。高負荷なトレーニングはそれだけでリスクが伴います。しかし、その分、体は大きく成長するというリターンを得ます。逆に、負荷が小さければ、体は少ししか成長しないという小さなリターンを得ます。
まぁ、実際はそんな単純じゃないんですけどね(笑)。リスクが大きくとも、より大きなリターンを得られる人もいれば、得られない人もいる。リターン大の人とリターン小の人の違いは、トレーニングのフォームなのか、基礎的な体力なのか、遺伝的な要因なのか、原因は様々ですが、「あの人はリスクだけ大きくなって、リターンがどんどん小さくなっているなぁ」と感じることは多々あります。それはアスリートとして絶対避けたいですよね。なので、相手と同じゲームバランスの上で戦うために「リスクを減らす正しい動きは何か、何が自分のリターンになるか」を追い求めることは誰かと勝負する上では当たり前。最低条件だということがわかります。
では次、「ゲームって、なんであんなに楽しいの?」ということ。これは一言。「ギュッとして、パッと解消」を主に考えるとわかりやすいでしょう。これも桜井さんの動画カテゴリ【B:ゲーム性】で紹介されたものです。
サバイバルゲームやバトルロワイヤルゲーム。【APEX】や【フォートナイト】がわかりやすいでしょう。まずい、敵に囲まれた!4対1。「やられたら全滅、敗北」の場面。華麗なエイム裁きで4人をなんとか撃破した時の快感・達成感は、何物にも代えがたいものがあるでしょう。これは、ストレスが重くのしかかった状態「ギュッ」から、それを脱した時にストレスが大きく軽減する「パッ」に移行したためにおこる達成感です。
これは、ウエイトトレーニングを日常的にやっている人なら経験があるんじゃないでしょうか。
スクワットの最後の1回、懸垂の最後の1回、「もうやめてしまいたい。何なら、死ぬよりきつい。」そう思い、やりきった後の爽快感。これはまさしく、「ギュッとして、パッと解消」です。科学的ではないですが、これはゲームの楽しさとつながる部分があります。(科学的な説としては、「しんどい負荷を、セロトニンなどの幸福を感じるホルモンで相殺している状態で、しんどい負荷が取り除かれた時に、オーバーランとしてホルモンが分泌され続けるから」が、提唱されているそうです。)
アスリートは、これを運動器(筋肉)的な適応で感じることが多いような気がしますが、私が考えるに、どのような負荷であってもこれは起こりうると考えます。技術的な練習、戦略的なイメージトレーニング。脳や神経系でも同じことが言えます。運動学習のメカニズム、みたいな学問的に難しく考えることは指導者に任せて、トレーニングをするときは、「しっかりギュッとストレスをかけ、しっかりパッと解消する」ことを意識するのはいかがでしょうか。
*陸上のことを生活のいたるところに持ち込み始めるとパッと解消が起きなくなってしまうので、これを見ている部員は、パッと解消するために、気持ちと思考を切り替えられるようになりましょう。
では、もっともっと話したいですが最後。
「ゲーム性が上がると、一般性が下がる」についてです。これも桜井さんの動画カテゴリ【B:ゲーム性】で紹介されたものです。今回はゲーム性特集ですね。次は他のにします。
私が大好き「星のカービィ」これは、ゲーム性を低くし、一般性を高めたものだと解説されていました。先ほどのスーパーマリオでのゲーム性の説明と照らし合わせて考えてみましょう。カービィは、マリオと違って、敵に当たったら弱体化する・ゲームオーバーである等がありません。【星のカービィ】では6回までHPがありましたし、【星のカービィWii】ではHPゲージが0になったらゲームオーバーでした。これは、リスクとリターンのふり幅を下げて、一般性(世間的な受け入れやすさ、理解のしやすさ)をあげた例だと言えます。マリオは、踏みつけることで敵を倒しますが、カービィはそれよりリーチが長い「吸い込み」で敵を撃破することができます。これもそうですね。
このように、ゲーム性を下げることは一般性が上がることにつながり、ゲーム性をあげることで、一般性が下がるのです。
では、トレーニングではどうでしょう。先ほど言った、高負荷のトレーニングをやると、一般性が下がるのでしょうか。その通り。一般性が下がるんです。
我らが主将、関口がやる高強度セット走をスプリントに関してはほぼ一般人の私が実施したところで、2本目でダウンし、深い意味を体感することはできません。逆に、ちびっこ陸上教室でやるような変化走をやってみたほうが、私にはよっぽどためになります。つまり、ゲームでもスポーツでも、リスクとリターンが高い練習をできる人間は、一般性が低い、競技レベルの高い人間だ。ということになります。
私たちの練習メニューは、リスクとリターンの高い練習、そうでない練習がコーチ陣、あるいは選手自身によって適切に配置されています。ここでこれを読んでいるアスリートたちに意地悪に問いましょう。あなたのやっているそのリスクもリターンも高い練習、「リスクとリターン」を適切に考えて、身になっていますか?そのリスクもリターンの低い練習、もうちょっとギリギリを攻められる余地はないですか?
常に問い続けることが、スポーツのゲーム性なのかもしれませんね。
明日は短距離ブロック1年、若菜にお願いしました。急遽頼んでしまったけど、引き受けてくれてありがとうね。
若菜は、1年にして、アスリートです。自分の体感覚を研ぎ澄ませる能力、練習に対する視座、ケアに対する意識。どれをとっても、素晴らしいです。自分で考え、弱みを捉えなおし、わからないとこは適切な人に聞く。生意気なほどに私が1年生の時にできていていたら理想だろうなと思っている能力が揃っています。まぁ正直、穴がないので、先輩として教えられることはないわけで、、、笑。先輩としてできるコトはご飯を奢るくらいでしょう。ご飯に行きましょう。
しかし、彼にトレーナーとしてできることは、たくさんあります。まだまだ、いくらでも頼ってください。
明日はよろしくおねがいします!
なんだか暑いのか涼しいのかかわからない気候に入ってきましたね。もういい加減にしてほしいなって結構思っています。皆さんもこのなんだかわからない気候に太刀打ちできるように、お体にご自愛ください。
それでは、失礼いたします。
*題名の効果音、ドラクエのレベルアップの音楽と一緒に読み上げてみてください。ピッタリのはずです。